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天狐あやかし秘譚
第24章 誨淫導欲(かいいんどうよく)
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【誨淫導欲】性的に乱れたことを教えて、性欲を刺激すること。
エッチなことはすっごい愉しいから、みんなでエロエロしましょう、みたいな。
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二人の男の4本の腕が私に迫る!

その瞬間、私は素早く荷物の中から手のひら大のシルバーのケースを引っ張り出すと、そこに入っていた長さ5センチほどの石の釘を取り出し、畳に突き刺した。

私のこの一見意味不明な行動に、男たちの行動が一瞬止まる。

ええと・・・確か・・・

「中央 黄龍 思慮 打ち締めよ」

この私が唱えた呪言に反応して、『ズン』と、重低音が石釘から響いた。

目には見えないが、その音は術者から石釘を結ぶ線の延長線上に扇形に広がる。今の場合、私に襲いかかってくる二人にもろにぶち当たるわけだ。

「があっ」

その音は男たちの脳髄を芯から揺さぶり、脳震盪のような状態にさせる。その衝撃によって、二人はのけぞり、仰向けに倒れ込んだ。

気を・・・失ってくれた?
やった!成功した!

この石釘は宝生前から護身用として預かっていたものだった。石釘を渡された時、先程の呪言も教えてもらっていた。

よかった・・・何十回も唱えて練習した甲斐があったというものだ。

今、私が使ったのは陰陽術の一種、土の術式だ。石の釘を媒介にして、人の脳に揺さぶりをかける術。一種のスタンガンのような効果を持つと教えられた。殺しはしないが、気絶させることは十分にできるということだった。
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