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天狐あやかし秘譚
第24章 誨淫導欲(かいいんどうよく)
30年前、この島に調査に来た陰陽師達が帰ってこなかったと言われていた時点で、何かしらの危険があることは予想されていた。もちろん、私についてはダリが守ってくれる、という前提ではあったが、この間みたいに結界内にいて探知されない、という事態がないとは限らない。そこで、宝生前が護身用にくれたのが今使った石釘だった。

『この釘そのものに霊力がこもっていますので、発動の言葉さえ間違わなければ綾音さんでも使えます』とのことだった。

すっごくよく見ると、5センチ足らずの細い石の釘にびっしりと何かの文字が刻んである。作るのがとても大変そうだ。

倒れた男たちを見て考える。

『輿入祭の夜は、お楽しみの夜』
『どの男が、どの女を犯しても・・・』
『文句は言えない』

これが圭介の言った『お楽しみ』の内容だとすると、当然宝生前とダリのところにも・・・。まあ、宝生前については心配していないが、ダリが別の意味で心配だ・・・。

もし・・・もしも・・・女の子に迫られて、エッチなことしてたら!!
ゆ・・・許さないんだから!

私はあまり体験したことがないメラっとした嫉妬の炎を燃やしつつ、部屋を飛び出した。

ダリ!大丈夫なんでしょうね!!
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