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天狐あやかし秘譚
第24章 誨淫導欲(かいいんどうよく)

「おっと・・・それ以上はご勘弁ください・・・」
二人の女の努力にも関わらず、宝生前は彼女らを押しのけて立ち上がると、少し乱れたワイシャツを直した。耳についた女の唾液をさも汚いものであるかのように手のひらで拭き取ってしまう。
「すいません・・・私・・・あなたたちにはビタ一文興奮しないんです。ほら見て、全く勃起してないでしょ?」
確かに宝生前のズボンの股のあたりにはなんの隆起も見られなかった。
はい?
二人の女は目が点になる。こんなことは初めての体験だった。自分たちとこの男、まるで温度感が違う。そして、その理由はすぐに判明することになる。
「申し訳ない・・・私・・・ゲイなんです」
宝生前はそう言うと、ポケットから出した石釘を女たちの足元に投げつけた。
その釘が畳に突き刺さり、ぶううんと低い音を立てて震えた。
「だから、あなた達に興味ないんですよね。そういうわけで・・・どうぞ、眠ってください・・・。」
ー石寂絶入(せきじゃくぜつにゅう)
静かに呪言を唱えると、二人の女は、『なにそれ?』と思うまもなく、糸の切れたマリオネットのように、静かにその場に崩れ落ちた。
二人の女の努力にも関わらず、宝生前は彼女らを押しのけて立ち上がると、少し乱れたワイシャツを直した。耳についた女の唾液をさも汚いものであるかのように手のひらで拭き取ってしまう。
「すいません・・・私・・・あなたたちにはビタ一文興奮しないんです。ほら見て、全く勃起してないでしょ?」
確かに宝生前のズボンの股のあたりにはなんの隆起も見られなかった。
はい?
二人の女は目が点になる。こんなことは初めての体験だった。自分たちとこの男、まるで温度感が違う。そして、その理由はすぐに判明することになる。
「申し訳ない・・・私・・・ゲイなんです」
宝生前はそう言うと、ポケットから出した石釘を女たちの足元に投げつけた。
その釘が畳に突き刺さり、ぶううんと低い音を立てて震えた。
「だから、あなた達に興味ないんですよね。そういうわけで・・・どうぞ、眠ってください・・・。」
ー石寂絶入(せきじゃくぜつにゅう)
静かに呪言を唱えると、二人の女は、『なにそれ?』と思うまもなく、糸の切れたマリオネットのように、静かにその場に崩れ落ちた。

