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天狐あやかし秘譚
第3章 【第2話 狂骨】夢幻泡影(むげんほうよう)

☆☆☆
うどんを食べ終わったあと、またダリは姿をくらまし、私は更に3軒の不動産屋さんを訪れた。
結果は・・・
「ないですね、ないない。」
「そりゃ無理ですよ、お客さん」
「千葉あたりなら・・・」
と、全て、見事に玉砕した。
さすがに心が折れそうだ。
駅前の噴水広場にあるベンチに腰を下ろした。時刻はまだ4時なので、もう一回りくらいできそうだが・・・疲れたー。
「でねー、このあいだ〜。そこのお店で超可愛い服見つけたんだ〜」
「そうそう、今度、あっこのパフェ食べに行かない?一緒にさ!」
あまりの疲労に、反り返って秋の高い空を見上げている。何やら左手の女子高生っぽい子達の会話が耳に入ってくる。
いいなあ・・・悩みなさそうで。楽しそう・・・。
「ね?また、一緒に遊びに行こうよ」
「うん、そうそう・・・お兄さんカッコいいし!」
ああ・・・恋愛とか、いいなあ・・・。
私も何も考えずに遊びたい。
「ふむ・・・良いぞ、その”ぱふぇ”とやらに興味がある」
きゃあー!!
盛り上がる女子高生たち・・・って?
私はバッと左手を見る。そこには頭ふたつ分くらい飛び抜けたダリを3人の女子高生が囲んでいた。涼やかな顔をしているくせに、さり気なく彼の右手が一人の子のお尻のあたりに添えられている。
な・・・何を!!!
ちょっと!ダリ!!
大声で名前を呼びそうになったが、はたと気づく。
ここで、顔を真赤にしてダリを呼び戻したら、まるで・・・まるで・・・
私が彼女らに嫉妬してるみたいじゃない!?
ちらっと、ダリが私の方を見て、笑ったような気がした。
な・・・なんか煽られている気がする!!
その目は如実に私の嫉妬を煽って楽しんでいるように見えた。
『声?かけないの?いいのかなー?』
なんて言ってるかのようだ。
ムカムカ!
わ・・・私、そんなにやっすい女じゃないし!!
なんか謎の敗北感を感じ、私はそそくさとその場を離れた。
この怒りを不動産屋さん巡りにぶつけるのだ!
うどんを食べ終わったあと、またダリは姿をくらまし、私は更に3軒の不動産屋さんを訪れた。
結果は・・・
「ないですね、ないない。」
「そりゃ無理ですよ、お客さん」
「千葉あたりなら・・・」
と、全て、見事に玉砕した。
さすがに心が折れそうだ。
駅前の噴水広場にあるベンチに腰を下ろした。時刻はまだ4時なので、もう一回りくらいできそうだが・・・疲れたー。
「でねー、このあいだ〜。そこのお店で超可愛い服見つけたんだ〜」
「そうそう、今度、あっこのパフェ食べに行かない?一緒にさ!」
あまりの疲労に、反り返って秋の高い空を見上げている。何やら左手の女子高生っぽい子達の会話が耳に入ってくる。
いいなあ・・・悩みなさそうで。楽しそう・・・。
「ね?また、一緒に遊びに行こうよ」
「うん、そうそう・・・お兄さんカッコいいし!」
ああ・・・恋愛とか、いいなあ・・・。
私も何も考えずに遊びたい。
「ふむ・・・良いぞ、その”ぱふぇ”とやらに興味がある」
きゃあー!!
盛り上がる女子高生たち・・・って?
私はバッと左手を見る。そこには頭ふたつ分くらい飛び抜けたダリを3人の女子高生が囲んでいた。涼やかな顔をしているくせに、さり気なく彼の右手が一人の子のお尻のあたりに添えられている。
な・・・何を!!!
ちょっと!ダリ!!
大声で名前を呼びそうになったが、はたと気づく。
ここで、顔を真赤にしてダリを呼び戻したら、まるで・・・まるで・・・
私が彼女らに嫉妬してるみたいじゃない!?
ちらっと、ダリが私の方を見て、笑ったような気がした。
な・・・なんか煽られている気がする!!
その目は如実に私の嫉妬を煽って楽しんでいるように見えた。
『声?かけないの?いいのかなー?』
なんて言ってるかのようだ。
ムカムカ!
わ・・・私、そんなにやっすい女じゃないし!!
なんか謎の敗北感を感じ、私はそそくさとその場を離れた。
この怒りを不動産屋さん巡りにぶつけるのだ!

