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天狐あやかし秘譚
第24章 誨淫導欲(かいいんどうよく)
目の前の双子の淫靡な狂宴に、私は目が離せなくなっていた。
「ダリ・・・これ・・・どうしたの?」
指をさし、おそらくこの状態の元凶であろうダリに聞いた。

「うむ・・・こやつらが、我の身体を求めてきたのでな・・・。我が直接彼奴らを愛したら・・・綾音が嫌がるかと思ってな・・・。だから、こやつらには互いに互いを慰めてもらうことにしたのじゃ」

その後、ダリは色々説明をしてくれたが、要は幻術とか、催眠術のようなものらしい。互いにレズるように仕向けたということだった。

「双子なので、互いの気持ち良いところをよく分かっておる。先程から狂ったように求め合っておるぞ」

何だか・・・ちょっと・・・可愛そうな気がする。

「おや、綾音さんも無事でしたか」
宝生前がダリの部屋に入ってきた。

「部屋にいなかったのでこっちかなと。ああ、部屋にいた男たち二人は・・・」
「ありがとうございます。宝生前さんが貸してくれた釘で撃退できました」
むん、と力こぶを作って見せる。
なんか、やっと自分も陰陽寮の一員になれた気がした。

「で・・・この子達は・・・」
宝生前も私と同じ疑問を持つわけで・・・。一応簡単に私から説明をした。

「はあ・・・幻術ですか・・・。便利ですね」
宝生前のところにも女の人達が来たらしいが、そちらもなんとかしたようだった。
まあ、宝生前さんは男が好きだから、全く心配していなかったんだけど。

そう、私は事前に宝生前の性的指向の話を聞いていたのだ。この派遣の話が来て、最初に宝生前に会ったとき、本人から聞かされていた。
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