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天狐あやかし秘譚
第25章 毛骨悚然(もうこつしょうぜん)
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【毛骨悚然】髪の毛や骨の中まで恐怖が浸透するほど、非常に恐れおののくさま。
骨の髄まで愛されるならともかく、怖いのはいやー!みたいな。
♡ーーーーー♡

ゆっくりと輿(こし)は進む。
黒い紋付きを身につけた青年は目を閉じて、ゆらゆらと輿と共に揺れていた。

それを運ぶのは6人の黒尽くめの男達。
そして、その前には白い紋付きの男女、さらには黒装束を身にまとい一列に並び歩く浮内分家の面々の姿があった。

輿の後ろには、村の有力者がひらひらとはためく旗を持ち、続いている。

ゆっくりと、ゆっくりと輿は進む。
夕日が落ちる村を巡る。誰も話す者はいない。静かに、静かに、輿は進んでいく。

「あれが・・・輿入祭・・・。なんだか・・・」
使われていない蔵に身を潜め、そっと草介の乗った輿の行列を見ていた私はそこで言葉を区切った。次に言おうとしたセリフが、あまりに縁起でもない、と思ったからだ。

「綾音さんの思っているとおりですよ」
同じく身をかがめた状態で宝生前は声を潜めて続けた。

私は思ったのだ、あれではまるで、田舎のお葬式・・・
野辺送りのようだ、と。

高灯籠が先導する行列、親族の先頭は圭介が務めている。その後に10人以上の、おそらくは浮内分家の面々が手に手に何か品を持っている。そして白い紋付袴の男女が続いていた。

浮内分家が持つ品々は供物とも取れる。
白い紋付袴の男女は導師だろう。

それは、葬送行列に類似していた。

「輿入れ・・・は結婚式みたいなものじゃないの?なんでお葬式みたいに・・・」
あまりにもおかしすぎる。
「いや・・・あながちそうとも言えません」
行列を見送りながら、宝生前が言った。
「葬式は、死者を死の国に送り、戻ってこないようにする意味があります。そして、結婚式も、『もう、この家には戻って来るな』として、同じような儀礼をふむ地域は確かにあるのです」
さすが民俗学の教授だ。なんだか授業を受けている気分になる。

「ただ、この儀礼はあまりにも葬儀に類似しすぎている。・・・お陰で、確信が持てましたよ・・・。浮内草介は、やはり生贄のようです」
随分物騒なことを言う。ただ、土御門も生贄説に言及してはいた。
「え?確信・・・て?」
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