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天狐あやかし秘譚
第25章 毛骨悚然(もうこつしょうぜん)

いったい、どこから確信を得たのだろう?私の頭に疑問符が浮かんでいるのを見て取ったのか、宝生前が更に説明をしてくれる。
「昨日、草介と話したことを覚えていますか?」
『実は、私、大学に行かれたら民俗学を専攻したいと思っていたんです・・・。感激ですね・・・。やはり宝生前先生も、呉秀三先生の著作などにはお詳しくある?』
「『呉秀三』というのは、明治時代の精神医学者で、主として地方に残されていた『座敷牢』の研究論文を発表したので有名です。さらに・・・」
『僕の浅薄な知識で語るより、松村武雄先生の『日本神話の研究』などが如実に物語っているでしょうね。』
「『松村武雄先生』は、日本神話における生贄について発表をされています。民俗学の話で呉先生の話をするのはものすごく不自然です。でも、私になら通じると思ったのでしょう。あれは、後ろにいた男に気取られないようにメッセージを送ろうとした草介なりの努力だったんです」
つまり彼はこう言ったのだ。
呉秀三・・・『座敷牢』
松村武雄・・・『生贄』
要するに、自分は座敷牢に囚われており、生贄にされる、と。そう考えるとあの時の会話も別のように読み取れる。
『ははは・・・私の能力的な問題ですね。それに、浮内の家の男は家を守る使命があり、幼い頃からそちらの勉強を特にするよう言われてましたからね。島から出るなんてとんでもない。僕の肩に浮内の家がかかっているわけですから』
・・・僕は浮内家を守る使命を負わされている。僕の力では島から出られない。
『・・・興味はありますが、機会を待つことにしましょう。・・・機会は・・・ありそうですか?』
と宝生前が尋ねたときにはこう答えていた。
『はは・・・どうでしょうね。ずっと昔から秘密だったものですから。私一人の力では先生にお知らせすることなど出来そうにないです。学問の発展のためにもなんとかできると良いのですかねえ』
・・・私一人ではお知らせすることが出来ない。
『できれば、明日の午前中にもお話を伺いたいですなあ』
に対しては、
『明日の午前中は難しいでしょうね。むしろ、僕が輿入れをした後の方が・・・機会があるかも知れません』
・・・午前中は困難だが、輿入れ後ならチャンスがあるかも?
「じゃあ、草介さんは・・・」
彼は必死に私達に助けを求めていたということになる。
「昨日、草介と話したことを覚えていますか?」
『実は、私、大学に行かれたら民俗学を専攻したいと思っていたんです・・・。感激ですね・・・。やはり宝生前先生も、呉秀三先生の著作などにはお詳しくある?』
「『呉秀三』というのは、明治時代の精神医学者で、主として地方に残されていた『座敷牢』の研究論文を発表したので有名です。さらに・・・」
『僕の浅薄な知識で語るより、松村武雄先生の『日本神話の研究』などが如実に物語っているでしょうね。』
「『松村武雄先生』は、日本神話における生贄について発表をされています。民俗学の話で呉先生の話をするのはものすごく不自然です。でも、私になら通じると思ったのでしょう。あれは、後ろにいた男に気取られないようにメッセージを送ろうとした草介なりの努力だったんです」
つまり彼はこう言ったのだ。
呉秀三・・・『座敷牢』
松村武雄・・・『生贄』
要するに、自分は座敷牢に囚われており、生贄にされる、と。そう考えるとあの時の会話も別のように読み取れる。
『ははは・・・私の能力的な問題ですね。それに、浮内の家の男は家を守る使命があり、幼い頃からそちらの勉強を特にするよう言われてましたからね。島から出るなんてとんでもない。僕の肩に浮内の家がかかっているわけですから』
・・・僕は浮内家を守る使命を負わされている。僕の力では島から出られない。
『・・・興味はありますが、機会を待つことにしましょう。・・・機会は・・・ありそうですか?』
と宝生前が尋ねたときにはこう答えていた。
『はは・・・どうでしょうね。ずっと昔から秘密だったものですから。私一人の力では先生にお知らせすることなど出来そうにないです。学問の発展のためにもなんとかできると良いのですかねえ』
・・・私一人ではお知らせすることが出来ない。
『できれば、明日の午前中にもお話を伺いたいですなあ』
に対しては、
『明日の午前中は難しいでしょうね。むしろ、僕が輿入れをした後の方が・・・機会があるかも知れません』
・・・午前中は困難だが、輿入れ後ならチャンスがあるかも?
「じゃあ、草介さんは・・・」
彼は必死に私達に助けを求めていたということになる。

