この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第26章 往古来今(おうこらいこん)

先程から中の話を聞いていると、どうやら、村一番の美男子である清延という若者を娘二人が取り合おうとしている、という構図らしい。
娘は妹のほうが海子、姉の方は名前を呼ばれなかったので結局わからなかった。
姉の方が自分の容姿に自信があるらしい。妹はそうでもないようで、むしろ、妹自身も清延が選ぶとすれば姉だろうと思っているような節があった。
きっと、お姉ちゃん思いの優しい妹なんだろうな・・・。
そう感じた。
一方、姉の方は口では妹にもチャンスが有る風なことを言っているが、言葉の端々から察するに、『自分が選ばれるに違いない』と自信満々な様子だ。ちょっと、傲慢とも言えるほど自尊心が高い。そして、それにもかかわらず妹を競争に誘おうとする。妹を負かして、自分の美しさを証明したいと思っているのは見え見えだった。
少し・・・嫌な性格かも・・・。
そう言えば、ホシガリ様の話も二人の姉妹が出てくる話だった。
でも、あのお話の主人公である姉妹は長者の家の人間、という設定だったような気がする。
改めて中を伺っている家を眺めるが、小さい藁葺き屋根の家・・・下手すると小屋、と言ってもいいような風だ。とても長者には見えない。
他に家はないだろうか?
周囲を見渡してみるが、全く家は見当たらなかった。もう少し歩いてみようかと思った矢先、ごうと強い風が吹き、私は目を覆う。
きゃあ!
娘は妹のほうが海子、姉の方は名前を呼ばれなかったので結局わからなかった。
姉の方が自分の容姿に自信があるらしい。妹はそうでもないようで、むしろ、妹自身も清延が選ぶとすれば姉だろうと思っているような節があった。
きっと、お姉ちゃん思いの優しい妹なんだろうな・・・。
そう感じた。
一方、姉の方は口では妹にもチャンスが有る風なことを言っているが、言葉の端々から察するに、『自分が選ばれるに違いない』と自信満々な様子だ。ちょっと、傲慢とも言えるほど自尊心が高い。そして、それにもかかわらず妹を競争に誘おうとする。妹を負かして、自分の美しさを証明したいと思っているのは見え見えだった。
少し・・・嫌な性格かも・・・。
そう言えば、ホシガリ様の話も二人の姉妹が出てくる話だった。
でも、あのお話の主人公である姉妹は長者の家の人間、という設定だったような気がする。
改めて中を伺っている家を眺めるが、小さい藁葺き屋根の家・・・下手すると小屋、と言ってもいいような風だ。とても長者には見えない。
他に家はないだろうか?
周囲を見渡してみるが、全く家は見当たらなかった。もう少し歩いてみようかと思った矢先、ごうと強い風が吹き、私は目を覆う。
きゃあ!

