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天狐あやかし秘譚
第27章 銘肌鏤骨(めいきるこつ)
『ああ・・・左近次・・・左近次よ・・・』

何を求めているかわからないまま、『私』はまるで幼子のように額を左近次の胸にこすりつけ、請い、欲した。体の奥から、何か知らぬものが次々と湧き出し、股の部分があふれる水気で濡れそぼる。

そこに・・・そこに・・・あああ!!

左近次が『私』の両の足を押し広げ、そこに大きなマラを押し付けてくる。ぬるりと滑った先が茂みに押し入り、割れ目にゆっくりと入り込んでくる。

入り込んできた途端、心の底から、それを求めていたということを悟った。
もっと、深く、奥まで、突いて、この身体を突き破ってほしいと思うほど・・・。

身体の中が満たされていく。温かいもので押し広げられ、苦しいほどにいっぱいに満ちていく・・・。

最初は痛みがあったようにも思ったが、すぐにじんわりとした心地よさが勝る。キュウキュウと、『私』の体が彼のマラを締め付け、離そうとしない。

自分の心とは違うように身体が動いていく不思議・・・。『私』の身体の肉が、ひたすらに、左近次を貪ろうとしているかのようだった。

心地よい・・・あああ・・・このまま、まるで左近次とひとつにとけあって、『私』など、もうこの世に残らないのではないかと思うほど・・・。

左近次が、マラを『私』に突き立ててくる。幾度も、幾度も、荒い息を吐き、突き立て続ける。この男に体の芯から求められているという気持ちが、『私』の心の内まで満たしていく。そして、突き上げられると体内は打ち震え、背筋は粟立ち、悦楽が頭の中にまで響き抜ける。声が・・・止まらない。自分が知らない、女の声・・・。

そう・・・まるで・・・あの日の海子のような・・・。

あああああああ!!

叫び声が上がる。身体が剛直し、震え、身体の中で何かが弾けたように、声も出ない。

それとともに、胎内で左近次のマラが熱い何かを吐き出しているのを確かに感じた。
これが・・・これが・・・・

海子が清延様に求めた子種だろうか・・・。私にも、入ってきている。体の中にぬくもりが満ちてくる。

何と、心地よく、何と優しい・・・。これを得られるなら、何ものに引き換えても構わないと思うほど・・・。

『私』は知らずに左近次を抱きしめ、左近次も『私』を抱きしめた。このまま溶け合って、ひとつになれればよいと思った。
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