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天狐あやかし秘譚
第29章 正真正銘(しょうしんしょうめい)

♡ーーーーー♡
【正真正銘】嘘偽りがないこと。
本当の自分に立ち返ることはとっても大切、みたいな。
♡ーーーーー♡
もし、その時、浮内本家の外からこの戦いを見ているものがいたら、この瞬間の情景はこう見えただろう。
突然、月夜に黒雲が湧き上がり、うねり、逆巻き、そして、そこから万雷が降り注いだ、と。天狐ダリの超妖力は天候に作用し、雷を呼び、あたかも霖雨のごとく降らせたのだ。
屋敷の瓦はあちこちで砕け散り、雷に打たれ、壁は吹き飛んだ。これら雷は数分に渡り降り注ぎ続けることになる。
☆☆☆
「きゃあ!」
ダリの古槍が光を放つと、突然、雷鳴があたり一面にこだました。ダリが私達を結界に招き入れ、守ってくれたから良かったものの、そうでなければ、天井から壁から、あたり一面が爆音とともに突如砕け散っていく中で私達は大怪我をしたことだっただろう。
耳をふさぎ、目を閉じてやり過ごすうちに、不意に周囲が静かになった。
「っ!?」
目をそっと開き、私は目を疑った。ここに入る前に上空から見た浮内本家が、見渡す限り、ものの見事に更地になっている。あちこちで火の手がブスブスと上がっており、ツンと鼻を突くオゾンの匂いが立ち込めていることと、先程の雷鳴、爆音から察するに、ダリが何らかの術で雷を落としたのだと知れた。
先程までの爆音が嘘のように収まり、頭上には星がまたたき、山の向こうに月が落ちようとしていた。虫の声が聞こえる。
確かに・・・屋敷を壊してと言ったけど・・・。
私はせいぜい一棟吹き飛ばすくらいを想像していたが、こうも徹底的に破壊するとは・・・。ダリ、やっぱり恐るべき妖怪だ。
「これでよいか?」
澄ました顔で言ってくる。ちなみに宝生前と草介さんも頭を軽く振りながら起き上がってきた。
そして、圭介もまた然りだ。
ホシガリ様に何らかの方法で守ってもらっていたのだろう。その肩の上で、びっくりしたような表情はしているが、全くの無傷だ。いや、むしろ屋敷を破壊されたことで目に怒りの火が灯っている。
「貴様ら・・・よくも本家の屋敷を!」
【正真正銘】嘘偽りがないこと。
本当の自分に立ち返ることはとっても大切、みたいな。
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もし、その時、浮内本家の外からこの戦いを見ているものがいたら、この瞬間の情景はこう見えただろう。
突然、月夜に黒雲が湧き上がり、うねり、逆巻き、そして、そこから万雷が降り注いだ、と。天狐ダリの超妖力は天候に作用し、雷を呼び、あたかも霖雨のごとく降らせたのだ。
屋敷の瓦はあちこちで砕け散り、雷に打たれ、壁は吹き飛んだ。これら雷は数分に渡り降り注ぎ続けることになる。
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「きゃあ!」
ダリの古槍が光を放つと、突然、雷鳴があたり一面にこだました。ダリが私達を結界に招き入れ、守ってくれたから良かったものの、そうでなければ、天井から壁から、あたり一面が爆音とともに突如砕け散っていく中で私達は大怪我をしたことだっただろう。
耳をふさぎ、目を閉じてやり過ごすうちに、不意に周囲が静かになった。
「っ!?」
目をそっと開き、私は目を疑った。ここに入る前に上空から見た浮内本家が、見渡す限り、ものの見事に更地になっている。あちこちで火の手がブスブスと上がっており、ツンと鼻を突くオゾンの匂いが立ち込めていることと、先程の雷鳴、爆音から察するに、ダリが何らかの術で雷を落としたのだと知れた。
先程までの爆音が嘘のように収まり、頭上には星がまたたき、山の向こうに月が落ちようとしていた。虫の声が聞こえる。
確かに・・・屋敷を壊してと言ったけど・・・。
私はせいぜい一棟吹き飛ばすくらいを想像していたが、こうも徹底的に破壊するとは・・・。ダリ、やっぱり恐るべき妖怪だ。
「これでよいか?」
澄ました顔で言ってくる。ちなみに宝生前と草介さんも頭を軽く振りながら起き上がってきた。
そして、圭介もまた然りだ。
ホシガリ様に何らかの方法で守ってもらっていたのだろう。その肩の上で、びっくりしたような表情はしているが、全くの無傷だ。いや、むしろ屋敷を破壊されたことで目に怒りの火が灯っている。
「貴様ら・・・よくも本家の屋敷を!」

