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天狐あやかし秘譚
第29章 正真正銘(しょうしんしょうめい)

「あ?」
圭介もそれが分かっているのか、一瞥しただけで無視を決め込む。私の方を先に始末するつもりのようだ。
「があ・・・ああ・・・にげ・・て・・・草介・・さん」
なんとか言葉を絞り出す。ぎりりと首が締まる。こいつ、さっき私が首絞めたことを根に持って・・・。嫌な奴!!
「うわああああ!!!」
草介さんが声を上げて圭介に角材を突き立てようと突っ込んでくる。
ダメ!無理よ!
ずぶう・・・と圭介の横腹に角材が刺さるが、案の定、圭介は意にも介さない。そのまま万力の如き力で私の首を締め付け続ける。
「気が済んだか?弟・・・いや、妾の子か・・・すぐに殺してやる、待ってろ。お前が死んだら、お前の姉の子をホシガリ様の婿にしよう・・・。」
圭介がにやりと笑う。
「お前を一度でも兄と思ったことはない・・・!」
草介さんが吠える。
「中央 黄龍 思慮 打ち締めよ!」
「な!」
圭介の瞳孔が開くのと、腹の中の角材に仕込まれた石釘がゼロ距離で衝撃波を炸裂させるは同時だった。
「母さんの敵だ!!!」
があああああ!
腹の中で石釘が放つ衝撃波が反響し、暴れまわり、臓物をかき混ぜる。
いくら生玉で強化された身体とは言え、ひとたまりもない。
圭介の腕の力が抜け、私の身体が落下する。
げほげほげほ・・・。ああ・・・死ぬかと思ったよ。
草介さんが肩で息をしている。その両手はささくれだった角材を力いっぱい握りしめていたせいで血まみれになっていた。
「あ・・・ありがとう・・・草介さん」
「綾音さんこそ・・・大丈夫ですか?」
圭介を見上げると、身体中から細かな出血をし、立ったまま白目をむいている。死んではいないようだが、すぐに復活も難しいだろう。
私は重い体を引き起こし、剣戟の音が聞こえる方を見据える。
あとは・・・彼女を解放するだけだ・・・。
圭介もそれが分かっているのか、一瞥しただけで無視を決め込む。私の方を先に始末するつもりのようだ。
「があ・・・ああ・・・にげ・・て・・・草介・・さん」
なんとか言葉を絞り出す。ぎりりと首が締まる。こいつ、さっき私が首絞めたことを根に持って・・・。嫌な奴!!
「うわああああ!!!」
草介さんが声を上げて圭介に角材を突き立てようと突っ込んでくる。
ダメ!無理よ!
ずぶう・・・と圭介の横腹に角材が刺さるが、案の定、圭介は意にも介さない。そのまま万力の如き力で私の首を締め付け続ける。
「気が済んだか?弟・・・いや、妾の子か・・・すぐに殺してやる、待ってろ。お前が死んだら、お前の姉の子をホシガリ様の婿にしよう・・・。」
圭介がにやりと笑う。
「お前を一度でも兄と思ったことはない・・・!」
草介さんが吠える。
「中央 黄龍 思慮 打ち締めよ!」
「な!」
圭介の瞳孔が開くのと、腹の中の角材に仕込まれた石釘がゼロ距離で衝撃波を炸裂させるは同時だった。
「母さんの敵だ!!!」
があああああ!
腹の中で石釘が放つ衝撃波が反響し、暴れまわり、臓物をかき混ぜる。
いくら生玉で強化された身体とは言え、ひとたまりもない。
圭介の腕の力が抜け、私の身体が落下する。
げほげほげほ・・・。ああ・・・死ぬかと思ったよ。
草介さんが肩で息をしている。その両手はささくれだった角材を力いっぱい握りしめていたせいで血まみれになっていた。
「あ・・・ありがとう・・・草介さん」
「綾音さんこそ・・・大丈夫ですか?」
圭介を見上げると、身体中から細かな出血をし、立ったまま白目をむいている。死んではいないようだが、すぐに復活も難しいだろう。
私は重い体を引き起こし、剣戟の音が聞こえる方を見据える。
あとは・・・彼女を解放するだけだ・・・。

