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天狐あやかし秘譚
第31章 情意投合(じょういとうごう)
彼に突かれるとズンズンと体の奥まで響く快感が押し寄せてきて、そのたびに目の前がチカチカとする。淫液が溢れているなんてものではない。水音が淫靡に響いているが、この音の原因の大半は自分だということはよく分かっていた。

す・・・すごいぃぃぃ!!

「ああああ!!!」

悲鳴に近い声が上がる。ぎゅっとダリの背中に爪を立てずにはいられない。そうでもしてないと、どこかに落っこちていきそうなほどのゾクゾクする快感をいなすことができないのだ。

私がなれてきた、と判断したのか、ダリの腰使いが一層激しさを増す。とんとんと奥を突かれるたびに身体が高められ、私のゆとりはどんどんなくなっていってしまう。

「ああっ!」

また大きな波が来た。ぶわっと体の奥からあふれる快感に押し流されそうになる。ぎゅうぎゅうと膣が伸縮し、彼のものを締め付けていく。私の身体の中が、彼のそれの形に作り変えられていっているかのようだった。

ダリのペニスが身体の中で一段、膨れたように感じた。それを押し返すように、私の膣壁が私の意志とは無関係にそれを締め付ける。ビクンと身体の中で彼のものが跳ね、震えた。そして、じわっと体の奥に温かな何かが広がるのを感じる。

それがなにか、本能が知っていた。

彼の精液が・・・流れ込んできている。
多分、頭で認識するより早く、身体はそれを知っていたのだろうと思う。体の奥がキュンキュンと震え、精を胎内奥深くに取り込もうと動いていた。

先程よりも、大きく、深い絶頂が私の身体を突き抜ける。

「い・・・ああああ!うく・・んん!!!」

ぎゅううっと身体中がダリを求めて締め付ける。太ももが、足が、あらぬところがブルブルと震え、全身から喜悦の情が溢れ出す。

なにこれ・・・これ・・・もう・・・私っ!!!

もう、こんな気持ちよさを知ってしまったら、ダリなしでは絶対に生きていけない。
そう思わせるほどの快感の波が私を覆い尽くした。

深くて、暗い泥濘が私を覆い、意識がふわりと闇に溶けた。
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