この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第3章 【第2話 狂骨】夢幻泡影(むげんほうよう)

☆☆☆
っ!!!
あまりの恐怖に、ガバっと体を引き起こす。肩で浅い息をした。
全身がガチガチに硬直し、額から、背中から汗をじっとりとかいている。
・・・夢?
ありありと覚えている。誰か・・・多分あの幽霊の女の子が、真っ黒い人影に殴られていた。母親?みたいな人が守っていたけど、最後のシーンでは、もういなかった。
そして、真っ赤に焼けた鉄の棒が私の目に・・・。
はあ・・・はあ・・・
胸が痛い。息が、うまくできない・・・。
怖すぎて、目を閉じることすらできない。
「綾音・・・」
いつの間にか狐神モードのダリが私の横にいた。ふわりと私の全身を包み込むように抱きしめてくる。
「何か・・・来たな?」
ダリが周囲を見回しているのが気配でわかるが、私は目を見開いたまま身じろぎひとつとれない。まだ、心臓が痛いほど激しく打っている。
「あの・・・女の子だった・・・」
かろうじて、これだけ言えたが、やはりうまくは喋れない。
さっきの夢で殴られていた子は、あの公園で会った幽霊だった。そして、最後に熱く灼けた鉄の棒を目に押し付けられたのは・・・
「あの子の・・・最期に見た、光景・・・?」
あの時点で鉄の棒の先からは血が滴っていた。母親と思しき人はいなかった。
なぜいなかったのかは、推して知るべしである。
っ!!!
あまりの恐怖に、ガバっと体を引き起こす。肩で浅い息をした。
全身がガチガチに硬直し、額から、背中から汗をじっとりとかいている。
・・・夢?
ありありと覚えている。誰か・・・多分あの幽霊の女の子が、真っ黒い人影に殴られていた。母親?みたいな人が守っていたけど、最後のシーンでは、もういなかった。
そして、真っ赤に焼けた鉄の棒が私の目に・・・。
はあ・・・はあ・・・
胸が痛い。息が、うまくできない・・・。
怖すぎて、目を閉じることすらできない。
「綾音・・・」
いつの間にか狐神モードのダリが私の横にいた。ふわりと私の全身を包み込むように抱きしめてくる。
「何か・・・来たな?」
ダリが周囲を見回しているのが気配でわかるが、私は目を見開いたまま身じろぎひとつとれない。まだ、心臓が痛いほど激しく打っている。
「あの・・・女の子だった・・・」
かろうじて、これだけ言えたが、やはりうまくは喋れない。
さっきの夢で殴られていた子は、あの公園で会った幽霊だった。そして、最後に熱く灼けた鉄の棒を目に押し付けられたのは・・・
「あの子の・・・最期に見た、光景・・・?」
あの時点で鉄の棒の先からは血が滴っていた。母親と思しき人はいなかった。
なぜいなかったのかは、推して知るべしである。

