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天狐あやかし秘譚
第3章 【第2話 狂骨】夢幻泡影(むげんほうよう)

今度は、女の子が独りで机に座っている。クレヨンで、絵を描いている。
真っ黒い影法師のような人間を描いていた。そして、その絵を上から、真っ赤なクレヨンでグリグリと塗りつぶしていく。その目は真剣そのものだった。
また、ぐにゃりと、世界が歪んだ。
「やめて!キヨカに手を出さないで!!!」
ボサボサの髪の毛の30代くらいの女性が、先程の子供を抱え込むようにしている。背を向けているのは影法師のような男性。その男性は、女性の背中を何度も何度も足で蹴飛ばした。
「うるせえっんだっよっ!集中できねぇ!・・・そいつを・・・黙らせろ!!!」
世界を揺るがすほどの音響で影の男性が絶叫する。
私はたまらず耳をふさいだ。
また、場面が変わる。
黒い影が金属の棒のようなものを持っている。棒の先からは血が滴っていた。
男は棒をコンロで火に炙る。血液が蒸発するような嫌な匂いが充満した。
「黙れよ・・・黙れ・・・黙れ!!」
赤熱した鉄の棒が迫ってくる。私の目に、熱気が肌を焼き、ひりつく痛みと肉の焦げる匂いが鼻につく。
そのまま・・・棒が・・・目に!!
真っ黒い影法師のような人間を描いていた。そして、その絵を上から、真っ赤なクレヨンでグリグリと塗りつぶしていく。その目は真剣そのものだった。
また、ぐにゃりと、世界が歪んだ。
「やめて!キヨカに手を出さないで!!!」
ボサボサの髪の毛の30代くらいの女性が、先程の子供を抱え込むようにしている。背を向けているのは影法師のような男性。その男性は、女性の背中を何度も何度も足で蹴飛ばした。
「うるせえっんだっよっ!集中できねぇ!・・・そいつを・・・黙らせろ!!!」
世界を揺るがすほどの音響で影の男性が絶叫する。
私はたまらず耳をふさいだ。
また、場面が変わる。
黒い影が金属の棒のようなものを持っている。棒の先からは血が滴っていた。
男は棒をコンロで火に炙る。血液が蒸発するような嫌な匂いが充満した。
「黙れよ・・・黙れ・・・黙れ!!」
赤熱した鉄の棒が迫ってくる。私の目に、熱気が肌を焼き、ひりつく痛みと肉の焦げる匂いが鼻につく。
そのまま・・・棒が・・・目に!!

