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天狐あやかし秘譚
第32章 【第8話 市民の木】一意専心(いちいせんしん)
んで、商業高校出て、私は町にある小さい会社の経理課に勤め始めた。さすがに社会人になってから木に登ることはしなかったよ。それに、その子も見なくなったしね。私は勝手に、その子も就職しちゃったんだーって思っていた。

思えば、最後に彼に会ったのは、高校の卒業式の日、卒業証書を親よりも早く見せたとき、かな?

『おめでとう』って笑ってくれたよ。

それで、その会社で旦那見つけて、結婚して、子供産まれて。子供さ、私3人産んだんだよ?で、その子達もあの木に登ったんだ。

ある時さ、真ん中の子、佐紀ってんだけど、が、私に言うんだ。

『あの木の枝に登って、男の子と仲良くなった』

よく聞いてみると、薄水色のシャツに茶色の半ズボンっていうじゃないか。
私はびっくりしたよ。
でさ・・・ああ、あの子は本当に『神様』だったんだって思ったよ。

それが、つい最近だね。あの木に登っていた子が枝が折れて落っこっちゃったんだ。そこから問題になっちゃって。あの木を切るだの切らないだの。

市議会で取り上げられて、伐採が決まったって。
私はそれを聞きつけて、大反対さ。当然だろ?私だけじゃない。ばあちゃん、私の子供、みんなあの木の『神様』に世話になったんだ。切らせてたまるかってんだ。
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