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天狐あやかし秘譚
第33章 季布一諾(きふのいちだく)
☆☆☆
「ままー!!ぱぱー!!!」

東京駅の新幹線改札を抜けると、元気のいい、そして、やたら懐かしく聞こえる声がした。清香ちゃんが、ぴょこんぴょこんと手を振りながら跳ねている。その横には芝三郎、そして、瀬良と土御門もいる。

ああしていると、まるで親子のようだな。

一緒に降りてきた宝生前が瀬良と土御門に軽く手を振るような挨拶をした。
清香ちゃんがパタパタ走ってきて、ぴょんと飛びついてきたので、私はよろけてしまわないようしっかりとキャッチした。

ああ・・・あったかいなあ。

ぎゅぎゅっと抱きしめると、いい匂いがした。
帰ってきた、という実感がじわっと湧いてくる。

「綾音殿!ダリ殿!お・・・お土産は?」
芝三郎はすでによだれを垂らしかねないような顔をしている。もちろん、あるよ。お土産。

「家に帰ってからね」
適当に芝三郎をいなし、私は土御門たちの方に向かった。
「清香ちゃん達、連れてきてくれて、ありがとう。」
はい、とお土産を渡す。岡山といえば、きびだんご。きびだんご20個入りだった。

「ありがとうございます」
瀬良が受取り、丁寧に頭を下げてくる。この人はやっぱり美人さんで、仕事できる風で、いいなあ。
「まあ、めっちゃ苦労してんねんけどな」
苦労?ああ、小さい子を連れて来るの大変だったのかも。
「清香ちゃん、大変でした?」
「いや、そっちやない・・・桔梗や」
クイッと親指で瀬良を指差した。
そして、土御門が簡単に経緯を説明してくれる。

「じゃあ・・・桔梗は、そのおばあちゃんを『木霊』にあわせようとして?」
「それならそうと言うてくれればええのに。町中でいらんバトルしてもーた。なあ、瀬良ちゃん」
言われて、瀬良が頷くが、なにやら顔が赤い・・・気がする。なんで?
「最終的には、わいらはずっとあの広場におってんな」
そう、土御門は青龍のいるところには向かわなかったのだ。それは、土御門自身も青龍の視覚で例の『木霊』の姿を見ていたから、だった。
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