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天狐あやかし秘譚
第37章 【第10話 疱瘡神】病入膏肓(びょうにゅうこうこう)
☆☆☆
「設楽さん?設楽さん?」

コンコンコンとノックする音が聞こえる。その音で意識は戻ったが、身体が全く動かなかった。まるで重度の風邪を引いたときのように身体が重だるい。いや、風邪かもしれない。身体がものすごく熱かったし、怖気も走っている。

なんとか目を開けると、自分が泊まっている民宿の部屋の天井だった。

あれ・・・あの地下牢は?

覚えているのは、自分があの女と交わり続けたことだけだった。どうやってあの狂宴が終わり、どうやってここに戻ってきたのか、全く記憶になかった。

それとも、あれは夢だったのか?だとしたらかなりリアルな淫夢だ・・・。

「設楽さん?いないんですか?」

瀬良の声だった。答えなければ・・・そう思って声を出そうとするが、かすれた声が出るだけだった。身体が異常に重い。指一本動かすのも億劫だった。

ここに来てやっとこの状態がただ事ではないと認識し、なんとか伝えようとするが、体が動かない以上どうすることもできかなった。

「あ!こっちです!お願いします!」
瀬良の声がしたかと思うと、がちゃっと鍵が開いた。どうやら宿の人に合鍵を持ってきてもらったようだった。瀬良と土御門が部屋に入ってきた。

「なんや、設楽、おるんやったら・・・って・・・お前、どした?」
土御門が驚いているところをみると自分の様子は相当おかしいのだろう。
「設楽さん、すごい汗・・・それに、顔が真っ赤です!」
瀬良がそっと額に手を触れる。その冷たい手が心地よかった。
「すっごい熱・・・」
薄目を開けて見ていると、瀬良が土御門に目配せをしている。土御門がうーんと空を振り仰いで考えるが、それもほんの数秒だった。
「しゃあない、一旦、京都支所に戻ろか。ここで救急車呼ぶ羽目になってもかなわんしな・・・」

仕方ない・・・そう思いながらも、なんか、引っかかる・・・。

何か、自分たちが大きな間違いをしているような気がする・・・土御門は妙な胸騒ぎを覚えていた。
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