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天狐あやかし秘譚
第4章 霖雨蒼生(りんうそうせい)

「清香ちゃん・・・?」
思い切って話しかけてみた。やはり声は聞こえるのか、私の方に顔を向ける。目のあるべきところに真っ黒な虚がある。怖いけど・・・だけど・・・。
「清香ちゃんは、悪くないよ」
こんなこと言って意味あるのかわからないけど。言わずにはいられなかった。
「ママを守ろうとしたんだよね?でも、清香ちゃんはちっちゃくて、守れなくて・・・」
清香ちゃんの思いを考えると、言いながら涙が出てきた。
「守れなかったことで・・・そんなに自分を責めないで・・・」
清香ちゃんが口を動かす。何かを言おうとしている。
「があぐふ・・・ぐう・・・ご・・な」
意味をなさない。もしかしたら、魂がだいぶ削れているのだろうか?
そっと、髪に触れるように頭に手を置く。お願い、もう、自分を責めないで・・・。
その瞬間、清香ちゃんの顔が、すっと、写真でみたその顔に戻った気がした。
え?
しかし、そう見えたのもつかの間、すぐに元の黒い虚ろを持つ怪異の表情に戻ってしまった。
その日は日が傾くまで、私は清香ちゃんのそばに座っていた。
思い切って話しかけてみた。やはり声は聞こえるのか、私の方に顔を向ける。目のあるべきところに真っ黒な虚がある。怖いけど・・・だけど・・・。
「清香ちゃんは、悪くないよ」
こんなこと言って意味あるのかわからないけど。言わずにはいられなかった。
「ママを守ろうとしたんだよね?でも、清香ちゃんはちっちゃくて、守れなくて・・・」
清香ちゃんの思いを考えると、言いながら涙が出てきた。
「守れなかったことで・・・そんなに自分を責めないで・・・」
清香ちゃんが口を動かす。何かを言おうとしている。
「があぐふ・・・ぐう・・・ご・・な」
意味をなさない。もしかしたら、魂がだいぶ削れているのだろうか?
そっと、髪に触れるように頭に手を置く。お願い、もう、自分を責めないで・・・。
その瞬間、清香ちゃんの顔が、すっと、写真でみたその顔に戻った気がした。
え?
しかし、そう見えたのもつかの間、すぐに元の黒い虚ろを持つ怪異の表情に戻ってしまった。
その日は日が傾くまで、私は清香ちゃんのそばに座っていた。

