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天狐あやかし秘譚
第38章 応病与薬(おうびょうよやく)
☆☆☆
「・・・というわけや」
パソコン画面の向こうの土御門が事の経緯の説明を終える。
世の中は便利になったもので、京都にいる土御門と綿貫亭にいる私達が、こうしてパソコン画面を通してオンライン会議を開くことができるのだ。土御門の後ろには相変わらず瀬良が控えているし、画面には写っていないが、私の後ろにはダリがいる。

一瞬だけ一般企業に就職したとき、数回経験したオンライン会議を、ここで再びやることになるとは思わなかった。陰陽寮もなかなかにデジタル化が進んでいるようである。

実は、今朝早くに、瀬良から電話があり、緊急でオンライン会議をやりたいから、と言われたのだった。それで慌てて支給された端末を持ち出し、こうして話をしているというわけだ。

彼の説明は分かった。要は、品々物之比礼(くさぐさのもののひれ)を追って中類村というところに行ったはいいけど、同行した設楽さんが病気になったから京都支所に帰らなければいけなくなった、ということのようだ。
それは分かったけれど・・・。

「それで?なんで、私達に連絡を?」

品々物之比礼が心配なら、さっさと別の陰陽師を伴って取りに行けばいいではないか。設楽以外にも陰陽師はいるのだろうし。

「せやな。わいらが京都支所に帰ってきたのが6日前や。確かに、ホントはすぐに中類村にとんぼ返りする予定だったんやけど、5日前、つまり帰ってきた次の日、急に設楽の様子がおかしなってん。」
「おかしいって?」
「端的に言えば、異常なまでに性的に興奮してもうてな。女と見ると襲いかかるようになって・・・危うく医療センターの看護婦さん犯すとこやったんよ。」

そんな・・・設楽さんと言えば、真面目が服を着て歩いているような人、じゃなかったっけ?

「そいで、こりゃただ事じゃないってことで慌てて隔離して、いろんな検査をしたんやけど、病気を特定できなくて。未知の伝染病かもしれんと、わいらも隔離されてしもて、あっという間に時間経ってもうたんや。」

うん?ということは、土御門と瀬良は同じ部屋に隔離されている・・・?

「ところが、2日前、容態を見ていた設楽の背中が真っ赤に染まってきた。それで、ようやっと病気が特定できてん。」
背中が赤く・・・それで何が分かったのだろう?
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