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天狐あやかし秘譚
第39章 有備無患(ゆうびむかん)
「蘇民将来命とは、疫病除けの神様として祀られているんです。その昔、蘇民将来という人が、旅をしていた素戔嗚命を家に泊めたことで感謝され、以降『蘇民将来とその子孫には疫病が伝染らないようにする』と宣言された、という伝説があります。今でもそれにあやかって病気除けとして玄関先に『蘇民将来子孫家』・・・つまり、『ここは蘇民将来の子孫の家ですよ』という意味の札を掲げる、という風習があるくらいです」

さすが瀬良。優秀な秘書だけあって解説がわかりやすい。

要は疫病を防ぐ神様の力を借りて、疱瘡神の力をなんとかしようということ・・・なのだろうか。

「せや。今、八坂神社にある素戔嗚が使ったとされる御神剣のひとつ『蛇之麁正(おろちのあらまさ)』を借り受ける手続きをしとるところや。それと、支所の祭部衆に疫病除けの護符を作らせとる所や。そいつらが揃たら、中類村に乗り込んで・・・後は・・・」
威勢がよかった土御門が不意にトーンダウンする。
「どうやって疱瘡神を見つけるのか、肝心のその部分の算段が立っていないのです」
土御門の言葉を瀬良が引き継いだ。

なるほど・・・見つければ、その『ナントカあらまさ』で倒すことはできそうだけど、探す方法が特に思いつかない・・・と?
でも、その点についてはダリの力もあまりアテにはできないと思う。
彼もまた、探索能力には秀でていないからだ。力でのゴリ押し主義という点で、土御門とダリは驚くほど似ている。

「まあ、虱潰しに探すしか・・・」

相変わらず計画の中心的な所が『力押し』なところは土御門らしいといえばらしい。

「一応、目指すべきは村長である名越鉄研のところだと考えています」

瀬良がフォローする。一応とは言え、アテはあるのか・・・。でも、だったら・・・。

「電話で聞けば?」

そう。別に封鎖してても電話だのインターネットだの・・・何でもつながる事ができるだろうに。直接危険なところにいかなくてもいいのではないだろうか。

「聞いてはみたのですが、知らぬ存ぜぬというばかりで」
瀬良がため息をつく。
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