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天狐あやかし秘譚
第39章 有備無患(ゆうびむかん)
「そんなわけないんやけどな。名越の家はずっとあの村の名代や。以前に疱瘡神が現れた際の資料だって所蔵しているに違いない。鉄研が知らぬとしても、書庫で手がかりを探すことはできるはずや。」
土御門が瀬良の発言を受けて言った。

「あと・・・品々物之比礼を奪った者のことも気になります。彼らが村に入った直後に疱瘡神が関係する病気が現れた・・・偶然にしては出来すぎています。それに、未だに品々物之比礼はあの村の中にあるようなのです。」
「なんや悪いことが起こってる気がすんねんな。何者かが神宝をつこて悪いこと考えているんやないかと」

要は、品々物之比礼を奪った奴、もしくは奴ら、か・・・今は何者かが分からないから『ミスターX』としようか・・・が何かしらの目的でまだあの村に残っていて、それが疱瘡神の出現に関係している可能性がある、ということのようだ。場合によっては、そのミスターX自身が意図的に疱瘡神を呼び起こしたという可能性すらあるだろう。

「いずれにせよ、動いていないということは、交戦する覚悟があるっちゅーことや。なら、行ったろやないかい!っちゅーわけや。その時はダリはんにも戦ってもらうから、よろしくな」

疱瘡神と未知の敵(ミスターX)との交戦・・・。それを見据えていたからこそ、私とダリを招いた、ということか。やっと得心がいった。

計画としては、剣や護符の準備ができたら、少数精鋭で中類村に乗り込み、まずは村長である名越鉄研の家を目指す。その過程でミスターXが現れればよし、そうでなかったとしても、村長宅で疱瘡神のデータを得る。そして、疱瘡神の居場所が判明し、それを封印なり、滅殺できれば、あとは陰陽師の集団を送り込んで、赤咬病に感染した住民たちを順次病院に搬送、治療に当たる・・・。

ざっくりいうと、計画としてはこんな感じだろうか。

だいぶ適当な気がするが、状況がよくわからず、かつ、時間的な制約がある以上、多少の計画の粗さはいたし方のないことなのかもしれない。未知数が多いというのも、ダリの超妖力を当てにしたくなる理由なのだろう。

明日にはすべての準備が整う予定だそうだ。
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