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天狐あやかし秘譚
第43章 陰謀詭計(いんぼうきけい)
☆☆☆
名越の家の始まりは1300年前に遡る。

当時、近畿地方で疫病が大流行した。何人、何千人もの死者を出した。当時の天皇は、遷都を諮ったり、怨霊調伏を目論んだりと様々な手を尽くしたが、以前死者は留まることを知らなかった。

時の陰陽寮の占者により、この出来事の背景には『疱瘡神』がいることが明らかになった。しかし、妖怪や怨霊ならば調伏ですることができるが、神を消し去ることはできない。そして、他の神は、その成り立ちからして人に益なす部分があるが、疱瘡神は、その本性それ自体が人を害するものである。回向したところで、その性を変えることなど出来はしない。要は、存在そのものが人を脅かす代物なのだ。

調伏することはできない。回向もままならない。
皆、すっかり困り果ててしまった。

そのとき、時の天皇が、一言、言った。
『封印せよ』

その命のもと、宮中で様々な方法が検討された。結果、その当時にあって、当代一の巫女と称された『斐川』(ひかわ)の体内に疱瘡神を封じ込めることが決まった。

ただ、その方法は、とてもではないが、当人に言うことは憚られるものであり、また、その封印にはそれ相応の危険が伴う。誰も、封じ手に名乗りを上げない状態が続いた。

しかし、そうは言っても事態は一刻の猶予も許さないところまで来ている。このまま都を危険にさらすわけにはいかない・・・。何より、勅命が出ていた。ジリジリと時間だけが過ぎる中、とうとう一人の男が巫女に疱瘡神を封じる封じ手として名乗りをあげた。

その男、名を『名越高重』(なごし たかしげ)と言った。
当時の陰陽寮に属す、凡百の陰陽師であった。
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