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天狐あやかし秘譚
第43章 陰謀詭計(いんぼうきけい)
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【陰謀詭計】人を欺くためのひそかなたくらみごと。
人を欺くと、その時良くても後で恐ろしいことになるよ・・・みたいな。
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「頼む・・・足玉(たるたま)を返してくれ」
親父が頭を下げた。

2年前、都内某所にあるカフェだった。親父には俺の方から連絡をした。実家に帰るつもりはサラサラなかったが、真白は、真白だけは心配だった。真白の様子を聞きたくて連絡を取ったところ、親父からどうしても会いたい、と言われたのだ。こっちは別に会いたくもなかったが、そこまで言うならと、ひとりで来ることを条件に、カフェでの面会に応じたのだ。

そして、こちらから何を言い出す前に、親父は深々と頭を下げて、言ったのだ『足玉を返せ』と。

完全に、冷めた。
正直、心のどこかで、親父は俺に少しは肉親の情を感じているんじゃないかと期待していた。しかし、このセリフで、完全にそんなものは1ミリもない事がわかった。

やはり、俺は望まれない子・・・どころか、彼らにとっては、死んでも構わない子、なのだと悟った。

「真白はどうしている?」

早く聞きたいことだけ聞いて、この場を去ろう。そう思った。さもなくば、俺はこの眼の前の男をひねり殺してしまうかもしれない。

それは、『お館様』の意に反する。
怒りが爆発しない内に撤退するべきだ。

親父は俺の言葉にピクリと肩を震わせた。
「ああ・・・元気に・・・学校に通っているよ・・・今は」

ん?何か、奥歯に物が挟まったような言い方だ。

「今は、って、どういう意味だ?」
俺の言葉で親父が顔を起こす。その目には、何かを決心したような光が宿っていた。

「うちの家、いや、お前たちの家、と言ったほうがいいか・・・。名越の家系は・・・疱瘡神憑きなんだよ・・・」
親父が語ったのはにわかには信じがたい話だった。
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