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天狐あやかし秘譚
第43章 陰謀詭計(いんぼうきけい)

高重は、斐川にこう告げた。
『これより、主の力を借り、疱瘡神を封じる。
この儀がうまくいけば、都の人間のみならず、
この国全ての人間を救うことになる』
『主はまず目隠しをして、堂に入る必要がある。
堂では何があっても声を上げてはならない。
身じろぎもしてはいけない。
主に寄り付き、疱瘡神が堂に入ることになる。
堂に疱瘡神が入ったならば、
我らが天照大御神の御神力を持ちて、
堂にある形代に疱瘡神をきっと封じようぞ』
つまり、高重は斐川は形代に疱瘡神を封じるまでのおとりになるのだ、と説明したのである。しかし、この説明は偽りだった。実際には、斐川自身の身体に疱瘡神を封じ込める計画だったからである。
『これより、主の力を借り、疱瘡神を封じる。
この儀がうまくいけば、都の人間のみならず、
この国全ての人間を救うことになる』
『主はまず目隠しをして、堂に入る必要がある。
堂では何があっても声を上げてはならない。
身じろぎもしてはいけない。
主に寄り付き、疱瘡神が堂に入ることになる。
堂に疱瘡神が入ったならば、
我らが天照大御神の御神力を持ちて、
堂にある形代に疱瘡神をきっと封じようぞ』
つまり、高重は斐川は形代に疱瘡神を封じるまでのおとりになるのだ、と説明したのである。しかし、この説明は偽りだった。実際には、斐川自身の身体に疱瘡神を封じ込める計画だったからである。

