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天狐あやかし秘譚
第43章 陰謀詭計(いんぼうきけい)
☆☆☆
「お館様・・・イタツキとシラクモが結界内に封印されておりますよ」
「お館様・・・あやつらの心根をのぞきましょうか?操りましょうか?」

銅鏡と呼ばれる日本古来の様式の鏡を持った二人の巫女服姿の女達が、和室の左右に座っている。その容姿は瓜二つであるところを見ると、どうやら双子であるらしい。着物もおそろいの梅の柄のもので、ぱっと見、見分けがつかない。強いて言えば、持っている鏡が、最初に発言した方の女は白色、次に発言した方のは黒色、という違いがある。

白色の鏡から光が発せられて、あたかもシアターかのように、暗い部屋の壁にイタツキ・・・颯馬とシラクモたちの様子を映し出している。

彼女らの中央には、『お館様』と呼ばれた人物が座椅子に座り、肘掛けにもたれて、その光景を眺めていた。

年の頃は16、7くらいに見える。目は細く、鼻筋は通っていて、口元はスッキリしている。造作は悪くないが、取り立てて特徴がない、という感じだ。街ですれ違っても、すぐに忘れてしまうような容貌だといえる。厳しい言い方をすれば、凡庸な顔立ちなのだ。

ただ、その凡庸な顔立ちの目はよく見ると、ギラギラと野心に溢れており、見るものを射すくめるようなところがある。

「いいよ、キヌギヌ・・・。何もしなくて」
黒い鏡を持つ方に向かって男は言った。

「では、未来を見ましょうか?」
白い鏡の女が続けた。
「いや、それもいいよ・・・。スクセ・・・だって、知ったらつまらないじゃないか。そのままでいい」
「はい・・・わかりました」

「もう少し、僕の息子たちが頑張るところを・・・見てみようじゃないか・・・」

そう言って、男は少しだけ笑った。
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