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天狐あやかし秘譚
第44章 捲土重来(けんどちょうらい)
☆☆☆
クソ、ここまで来たのに・・・。陰陽寮の奴ら、俺達が逃げるところまで読んでいたってことか・・・。

あたりを見渡す。突然、地面から生えてきた結界壁はかなり頑強そうで、ちょっとやそっとでは破れそうにない。おそらく、お館様が言うところの、陰陽寮の陰陽師が使う『四神クラス』と言われている結界だろう。しかも、形状や雰囲気から察するに、その中でも最硬を誇る『土』の術式だろうと思われた。

少なくとも、俺やシラクモの神宝の力でこじ開けられるものじゃない。
いったい、どうしたら・・・。

親父は連れてきてしまったが、あの様子では意地でも品々物之比礼を使うことはしないだろう。役に立たないなら、ここに打ち捨てていってもいいくらいだ。
あとは・・・。

俺はぐったりしたまま俺に抱えられている真白を見た。真白の姿はもとの美しい人間の姿に戻っている。しかし、これは俺が彼女の体に触れ、足玉の神力を注ぎ込み続けているからに過ぎない。手を離せば再びあの醜い姿に戻ってしまう。

このままここでじっとしていればあとから来る陰陽師たちに捕まってしまう。
戦ったとしても、先程の衝突で明らかになったように、あの男陰陽師の妙な剣や、神狐の妖力を前にすれば俺達では敵わない。

万事・・・窮す・・・か?
こうなったら・・・。

ちらと下を見ると、いい具合に山の木々が開けているスペースがある。

「おい!シラクモ、あそこに降りろ」

俺が示すと、その意図がすぐにわかったのか、シラクモが軽く頷く。手掌で虫たちを操り降下を始める。

戦う・・・しかない。
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