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天狐あやかし秘譚
第44章 捲土重来(けんどちょうらい)
何!?

地面の下から響く声に驚愕する。このふざけた喋り方は・・・!
男陰陽師か!?

地面が一瞬球形に盛り上がったかと思うと、閃光を伴って一気に爆ぜる。俺はとっさに真白に覆いかぶさり彼女を守った。

「ぐえ!」
シラクモはもろに土砂の直撃を受けたようだ。鶏の首を捻り潰したような悲鳴を上げた。

衝撃が去り、恐る恐る顔を穴の方に向けてみると、大きな金色のヘビの頭の上に男陰陽師が乗って穴の中から浮かび上がってくるところだった。その横から神狐が二人の女性を抱えて飛び出してくる。

何だ!?あのヘビは・・・。
この男陰陽師の式神はさっきの小さな龍だけではないのか!?

俺は、真白を背にかばいながらジリジリと後退する。あれだけの土砂をものともしない力・・・。しまった、この陰陽師も普通じゃない!

「こいつの名は勾陳(こうちん)・・・。さっきの青龍と違ごうてキョウショウやで・・・?」

キョウショウ・・・?
凶将・・・十二天将!?

こいつ・・・まさか。

「自己紹介まだやったな・・・
 宮内庁陰陽寮祓衆が筆頭・・・助の一位、土御門加苅・・・」

その名は、俺にとって、絶望そのものだった。
安倍晴明の流れを汲み、十二天将を操る現代最強と謳われた陰陽師・・・

「逃さへんよ・・・あんたら、み〜んな」

糸のような目をしたその男は禍々しい気を放つ光のヘビの頭上で、ニタリと嗤った。

「ちくしょう!!」

シラクモは気絶している。俺は真白から手を離せない。
攻撃手段はこれしか無い。

俺は大地に手を伸ばし、気を流し込む。
木々の根に活力を与える。活力が漲った木々の根は一気に成長し、地表に現れムチのようにその身をしならせる。

喰らえ!

活力の与え方を調整し、木々の根を一気に土御門に襲いかからせた。

「なんとかの一つ覚えやな」
だが、涼しい顔で土御門は言う。並行してヘビがブルンと身動ぎをした。

バリン!

たったそれだけの動きで、俺の最大攻撃たる木々の根が土御門に到達する前に全て砕け散った。

な・・・何をした!?
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