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天狐あやかし秘譚
第47章 猪突猛進(ちょとつもうしん)
☆☆☆
『今日、僕がお話するのは、この地方に伝わる不思議な不思議なお話です』
民話語りの先生のお話が始まった。

昔、昔、この地方には『疱瘡神』という、それはそれは恐ろしい神様がいました。
疱瘡神は病気の神様です。なので、人に近づいただけで、その人を病気にしてしまい、殺してしまう、そんな神様でした。

言い伝えによると、その姿は、身体はクマほどもあるのに、手足はやせ細っていて、顔は醜く爛れ、髪の毛はその大半が抜け落ちてしまっているといいます。更に、身体のあちこちが赤くグジュグジュに膿んでいて、ひどい匂いを撒き散らしていたとも言われています。
こんな風に、疱瘡神は世にも恐ろしい姿をしているのです。

そんな疱瘡神が、都を夜な夜な歩き回っていました。その姿を見た人はもちろん、家の前を通られただけでも人々はひどい病気になり、バタバタと倒れていきました。こうして、多くの人が病気で死んでしまうことになり、都の人々は皆、すっかり困り果ててしまったのです。

そんなある時、ひとりの勇敢な『巫女』が、自分の身体の中に疱瘡神を閉じ込める、と言い出しました。

もちろん、疱瘡神は病気の神様です。そんな神様を身体の中にいれたら、その巫女自身が病気になってしまうのは目に見えていました。しかし、『巫女』には勝算があったのです。彼女には、偉い法術使いの男という仲間がいました。その法術使いは、『足玉』という不思議な宝玉を持っていたのです。そう、これこそ神様の作った宝物で、どんな病気でもたちどころに治すことができる不思議な玉だったのです。

「この『足玉』があれば、疱瘡神を身体の中に閉じ込めても、病気になることはない」

法術使いは、巫女にそう教えました。そして、この足玉を巫女に貸す、と約束したのです。

足玉を用意し、疱瘡神を閉じ込めるための特別なお堂を設え、準備は万端です。

ある日の夜、巫女はお堂に籠もって、疱瘡神を待ちました。
疱瘡神が、法術使いにおびき寄せられてお堂に入ってきます。
そして、巫女は見事、疱瘡神を自分の身体の中に取り込むことに成功しました。

翌朝、疱瘡神を封じ込めた巫女の首に、法術使いの男が『足玉』をかけました。これで、都を騒がせた疱瘡神は、完全に巫女の身体の中に封じ込められてしまったのです。

以来、都の人が病気で苦しむことはなくなりましたとさ。
めでたし、めでたし。
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