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天狐あやかし秘譚
第47章 猪突猛進(ちょとつもうしん)

仮病を使い、足玉の存在を確信した後、あれこれと家の中を調べて、パパが足玉を書斎に隠していることを突き止めた。
また、どうやらママは足玉を15歳になったときから身につけていた、ということも分かった。だから10歳の私はまだ足玉を身に付けなくてもいいのだ。それは裏を返せば、15歳までは足玉がなくても私は疱瘡神にならない、ということだ。
15歳・・・。
こうしている間にも、お兄ちゃんは日に日に弱っていく。
死がひたひたと足音を立てて、迫ってきているかのようだった。
とうとう、お兄ちゃんは私のことを抱くことすらできなくなった。
ただ、私の背中に細い腕を回して、そっとそっと撫でるだけになっていた。
結局、私達、兄妹はどちらかしか生き残れない。
お兄ちゃんは世界で唯一人、私を、真白を見つめてくれた人。
私は、その身に醜い神を宿して、全ての人を病気にする、迷惑になるだけの存在。
どちらが生き残るべきか、・・・明白ではないか。
決心をした。
私は、言った。
『兄様、兄様・・・足玉を持って、ここから逃げて・・・』
『そして、私が15歳になる前に戻ってきて、
どうか、兄様の手で、私を殺して』
と。
また、どうやらママは足玉を15歳になったときから身につけていた、ということも分かった。だから10歳の私はまだ足玉を身に付けなくてもいいのだ。それは裏を返せば、15歳までは足玉がなくても私は疱瘡神にならない、ということだ。
15歳・・・。
こうしている間にも、お兄ちゃんは日に日に弱っていく。
死がひたひたと足音を立てて、迫ってきているかのようだった。
とうとう、お兄ちゃんは私のことを抱くことすらできなくなった。
ただ、私の背中に細い腕を回して、そっとそっと撫でるだけになっていた。
結局、私達、兄妹はどちらかしか生き残れない。
お兄ちゃんは世界で唯一人、私を、真白を見つめてくれた人。
私は、その身に醜い神を宿して、全ての人を病気にする、迷惑になるだけの存在。
どちらが生き残るべきか、・・・明白ではないか。
決心をした。
私は、言った。
『兄様、兄様・・・足玉を持って、ここから逃げて・・・』
『そして、私が15歳になる前に戻ってきて、
どうか、兄様の手で、私を殺して』
と。

