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天狐あやかし秘譚
第49章 淫祠邪教(いんしじゃきょう)
☆☆☆
時は、平安時代。

当時、都で疱瘡神が跋扈し、その調伏に何人もの陰陽師が駆り出されていた。名越家の祖先である『名越高重』もまた、その駆り出された陰陽師のひとりだった。ただ、高重はさほど呪力が強くなく、位階ももらえない、ヒラの陰陽師に過ぎなかった。

それでも、野望だけは人一倍だった彼は、なんとかして自分の家柄を上げたいと必死に考えた。呪力こそないが、この男、人一倍古書に精通していたのだ。そして、彼は今回の事態をうまく活用する方法がなにかないかと、古書を読み漁った。

そして、ついに彼は、大陸から伝わる古書を紐解くことで、邪神を取り込み、その神力を加護として機能させる方法を見出したのだ。

『邪神使役法』
高重はそれをそう呼んだ。

高重は、斐川というひとりの女を貧しい村から拾ってきて、それを言葉巧みに騙し、きれいな服を着せ、『巫女』に仕立て上げた。食事と住居、そんな些細な報酬をちらつかされ、危険はないと騙された彼女は、特別に作り上げた御堂の中で疱瘡神をおびき寄せる役割を果たすことを承諾したのだ。

彼は斐川に七日七晩、水垢離もさせず肉類を食わせ、女の色香と肉欲を高めさせた。そして疱瘡神を誘い出す呪言を教え込み、それをひたすらお堂の中で唱えさせ続けた。女の匂いと呪言によってまんまとおびき寄せられた疱瘡神は、お堂の中に入り込み、そこにいた斐川を犯し尽くした。

この交わりによって、斐川の中に疱瘡神が取り込まれてしまうことになる。危険がないとは真っ赤な嘘で、人の世の理を逸した交わりの衝撃から、斐川自身は廃人のようになってしまっていた。結局、彼女は、疱瘡神との交わりによって女児を孕み、それを産んだあと、すぐに憤死することとなる。

高重の真の目的は、この疱瘡神と人間との間に出来た『子』にあった。

『子』は疱瘡神の莫大な神力を引き継ぐと同時に、人としての生も有しているため、疱瘡神よりは扱いやすい。そして、どこから手に入れたかわからないが、彼は『足玉』を有していた。疱瘡神が女児の中で大きく成長し、その身体を食い破って出てきそうになったら、足玉の神力により、それを抑え込んだのである。

こうして、名越高重は、自身は何らリスクを負うことなく、莫大な神力の源泉を手に入れることに成功したのだ。

もちろん、これは外法だ。
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