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天狐あやかし秘譚
第49章 淫祠邪教(いんしじゃきょう)

高重が外法を使い、疱瘡神を配下においたことは、すぐに陰陽寮の知るところになる。そして、当時の陰陽頭は、当然のごとく、この行為を許さず、名越高重を陰陽寮から除名し、その一族の抹殺を命じたのだ。
当時の陰陽寮の名越の一族との戦いは熾烈を極めたそうだ。しかし、疱瘡神の神力を自在に操ることが出来た高重は、陰陽寮総出の追跡を振り切り、まんまと都から逃げおおせたのである。そして、そのまま行方をくらまし、ひっそりと島根の地に住み着いた。
その地で高重は、手に入れた疱瘡神の神力を、自分の子や孫、子々孫々まで伝え、一族の繁栄の基盤をつくりあげようと画策した。そのための悪魔の手段が、代々疱瘡神を女児に引き継ぎ続ける『本家』とそれを守る『中神村』、そして、本家からの神力を吸い上げ、繁栄をし続ける『四分家』の創設だったのだ。
高重は、疱瘡神を抱えた女児を『名越本家』としてひとつの村に囲い込んだ。これは、都からの追っ手の目をくらませるカモフラージュの役割を果たすとともに、名越本家から『子』を逃さないための自治の制度を敷くためのものだった。この『本家』の女児に対して、四つの分家から順番に男子を遣わし、『夫』とする。夫の役割は、妻である『疱瘡神憑きの女』の監視と管理、女から神力を吸い上げ四分家に分け与えること、そして、妻に女児を産ませ、次の疱瘡神の器を用意すること、だった。
当時の陰陽寮の名越の一族との戦いは熾烈を極めたそうだ。しかし、疱瘡神の神力を自在に操ることが出来た高重は、陰陽寮総出の追跡を振り切り、まんまと都から逃げおおせたのである。そして、そのまま行方をくらまし、ひっそりと島根の地に住み着いた。
その地で高重は、手に入れた疱瘡神の神力を、自分の子や孫、子々孫々まで伝え、一族の繁栄の基盤をつくりあげようと画策した。そのための悪魔の手段が、代々疱瘡神を女児に引き継ぎ続ける『本家』とそれを守る『中神村』、そして、本家からの神力を吸い上げ、繁栄をし続ける『四分家』の創設だったのだ。
高重は、疱瘡神を抱えた女児を『名越本家』としてひとつの村に囲い込んだ。これは、都からの追っ手の目をくらませるカモフラージュの役割を果たすとともに、名越本家から『子』を逃さないための自治の制度を敷くためのものだった。この『本家』の女児に対して、四つの分家から順番に男子を遣わし、『夫』とする。夫の役割は、妻である『疱瘡神憑きの女』の監視と管理、女から神力を吸い上げ四分家に分け与えること、そして、妻に女児を産ませ、次の疱瘡神の器を用意すること、だった。

