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天狐あやかし秘譚
第5章 天佑神助(てんゆうしんじょ)
「なんだ、姉ちゃん、あの子供の霊の関係者か?あいつのせいで、狂骨が起きちまった。だから、早く祓えばよかったのに」
「どういうこと?」
「狂骨ってのは、不条理な死を遂げたやつの怨念の集合体なの。ここはきっと昔処刑場かなんかで、昔の処刑なんて、不条理なもんばっかだっただろ?だから、そういう恨みが集積してんだ。あの子も、多分、姿かたちから言って、ろくな死に方してないじゃん。それで、狂骨が誕生する最後のひとつのピースになっちまったってところだな」
それって、清香ちゃんが妖怪になっちゃった・・・ってこと?
「そんな・・・清香ちゃんはまだ、中にいるのに!」
「清香?あの子供のことか?」
私は簡単に清香ちゃんのことを御九里に説明した。
「なるほどね。虐待死・・・それで狂骨に取り込まれたんだな・・・。気の毒だけど、狂骨の一部になっちまった以上、どうしようもない。もう、あれ全部を調伏するしか・・・消滅させるしか方法がねえ。まあ、それもそんな簡単じゃねえんだけどさ・・・。見ただろ?あいつめっちゃ強いの。妖力半端ないわけ。乙種っていって、危険度めちゃ高なのよ。俺じゃあ正直歯が立たねえ。だから、今、俺より強い術者を呼んでるところなわけで、それが来るまでの辛抱だ・・・なんだが・・・。」

そんな・・・。

「そもそも、姉ちゃんが邪魔しなきゃ俺の魂送りで、あの清香って子を優しく常世に送ってやれたんだぜ?もう魂込めまで行ってたんだし」
「なんとか、狂骨から引き離せないの?まだ、見えているのに!」
「ありゃダメだ。もう、融合しかけているし、あれを引き離すなんて人間業じゃできねえ・・・。諦めろ」

そんな、そんな・・・。
でも・・・人間業じゃ?

「人間じゃなきゃ・・・できるかも?」
「何だ、姉ちゃん、人間以外のお友達がいるのかよ・・・。今のはモノのたとえだ。言ってみれば、インクが混ざった水からインクだけ取り出すみたいな?無理っしょ、普通」

呆れたように御九里は言うが、私は諦めがつかない。
人間じゃなきゃ・・・じゃあ・・・ダリなら?
考えている間に御九里が色めきだつ。
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