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天狐あやかし秘譚
第52章 【第12話 貧乏神】家徒四壁(かとしへき)

「ちょっと、ダリ、なんだって言うのよ!」
少し離れたところに行き、小声で言う。
「あれを見よ、綾音」
クイッとダリが顎で示す方を見る。
あれ?・・・あれは・・・。
児童プラザのゲームコーナーの端っこに、一人の人が座っていた。およそ子どもばかりの場所に似つかわしくない、お年寄り。昼間、こども食堂にもいた隠居したご老人だった。
ずっといたの?
何あれ・・・。
「お前らの後を、あやつはずっとついて回っておったぞ」
なにそれ、ストーカー?
だが、ダリの次の言葉で、私は色んな意味で、背筋がゾッとした。
「あれは、人ではない・・・貧乏神だ」
その言葉でもう一度、ご老人の方に目をやる。
そいつは、ニヤリといやらしい笑みを私たちの方に向けてきていた。
少し離れたところに行き、小声で言う。
「あれを見よ、綾音」
クイッとダリが顎で示す方を見る。
あれ?・・・あれは・・・。
児童プラザのゲームコーナーの端っこに、一人の人が座っていた。およそ子どもばかりの場所に似つかわしくない、お年寄り。昼間、こども食堂にもいた隠居したご老人だった。
ずっといたの?
何あれ・・・。
「お前らの後を、あやつはずっとついて回っておったぞ」
なにそれ、ストーカー?
だが、ダリの次の言葉で、私は色んな意味で、背筋がゾッとした。
「あれは、人ではない・・・貧乏神だ」
その言葉でもう一度、ご老人の方に目をやる。
そいつは、ニヤリといやらしい笑みを私たちの方に向けてきていた。

