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天狐あやかし秘譚
第53章 奇想天外(きそうてんがい)
☆☆☆
「清香ちゃんちに行くの!?」
清美さんが、綿貫亭に行くことを告げると、みゆきちゃんは飛び上がらんばかりに喜んだ。清香ちゃんとみゆきちゃんは仲良く二人で手を繋いで歩きだす。その後ろを芝三郎が、そして、清美さん、私、ダリが続いた。

そして、私達の後ろには・・・
先程は気にしていなかったが、多分こんな感じでついてきていたのだろう。『貧乏神』だという老人がコソコソとついてきていた。よく見ると、街灯の下にいても影ができていない。確かにこの世のものではないのだ。

通常、神はよほどのことがない限り姿を見ることはできないと言われていた。例えば、うちにいる木の神様、木霊の『桔梗』は最初、陰陽寮の陰陽博士ですらその姿を捉えることはできなかった。この手の神様が見えるのは彼らが自分らの姿を見せようと思ったときだけらしい。私だけはどういうわけか桔梗も最初から見えたので、もしかしたら向こうの意思に関わりなく見えるのかもしれないが、今、貧乏神はダリの目にも映っているという。ちなみに先ほど、さり気なく確かめてみたが、清美さんやみゆきちゃん、清香ちゃんや芝三郎には見えてないらしい。

要は、貧乏神が私達に対してそういう『見せ方』をしているのだ。
理由は全くわからない。

「ちょっとアレ、どうしたらいいのよ」
小声でダリに問いかける。状況から言って貧乏神が取り憑いているのは清美さんだろう。そして、その貧乏神のせいで清美さんが赤貧に喘いでいるのは明白である。

「どうしたら・・・とは?」
「追っ払うとか、封印するとか」

タタリ神をぶった切ったみたいに、疱瘡神を封印したみたいに出来ないのだろうか。このままじゃ、清美さんたちはますます窮地に追い込まれてしまいそうだ。

「それは無理じゃ」
「なんでよ」
「あれは、理(ことわり)の神だ・・・そもそも、祓うことも封じることもできない。」
「そんな・・・じゃあどうしたらいいのよ」
「ふむ・・・もしかしたら土御門なら、どうにかする方法を知っているやもしれない」
土御門、宮内庁陰陽寮実践部門の最高位である『助の一位』を頂く陰陽師。確かにあの男なら色々知っているかもしれない。聞くのはいいのだけど・・・。
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