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天狐あやかし秘譚
第53章 奇想天外(きそうてんがい)
「それまで・・・あれどうすんのよ!」
「放っとくしかない。そもそもあれは悪さをする神ではない」

いや、人を貧乏にする神って、それだけで悪さでしょうが!
納得いかない気持ちを抱えながらも、私達は綿貫亭に到着した。

清香ちゃんとみゆきちゃんの世話を芝三郎に頼み、私はキッチンで簡単なお料理を作る。お料理と言っても、冷蔵庫にある野菜やお肉を適当に使った味噌煮込みうどんだ。

「はい、どうぞ」
料理とは言えないほどの簡単料理だけど、清美さんはとても感激してくれた。ついでにみゆきちゃんも寄ってきて、『うわー!!美味しそう!』などと言ってくれたので、私の分をちょっと分けてあげたりもした。

あと、差し出がましいかもしれないけれど、と前置きをし、お風呂を一緒にどうですか?と誘うと、顔を赤らめて頷いてくれた。後で聞いたところによると、案の定、ガス代を節約するために、冬でも湯船を使わないでシャワーだけにしていたそうだ。

そう、かつての私がそうだったように、だ。
(あの時は夏だったからなおさらだ)

お風呂にお湯を張り、みゆきちゃんと清美さんに入っていてもらう間に、土御門に電話をしてみることにした。時刻は22時近くになっているが・・・多分、寝てるなどということはないだろう。

数回の呼び出し音の後、土御門が出た。
「ああ、綾音はんか・・・こないな時間にどうしたん?」
ちょっと遅すぎる時間だったかもしれないけれど、事情が事情なだけに許してほしい。私は今日あったことをかいつまんで説明し、貧乏神のことについて尋ねた。
ちなみに、今、貧乏神はどうしているかと言うと、家の外にいて、窓からじーっと中をうかがっている状態だ。頭髪が乏しく、顔はシミだらけ、貧相な体つきの70歳くらいの老人が、部屋の中をじーっと見ている。ストーカーみたいな気色悪さは感じないが、かといって決して気持ちの良いものではない。

「なるほどね・・・貧乏神って・・・またけったいなもんに関わりましたなぁ」
気のせいか、電話の向こうから何やら『んあ・・・♡』などと、くぐもった声が聞こえる気がする。
「土御門さん、何かお取り込み中でしたか?」
「ああ・・・いや、取り込み中っちゃ、めっちゃ取り込んでるけど、まあ、大丈夫や」
何か、女の人の声?がする気がするけど・・・?土御門がいいって言うなら、まあいいか。
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