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天狐あやかし秘譚
第53章 奇想天外(きそうてんがい)
「ダリは『理の神だからどうにもできない』みたないこと言ってたんだけど」
「ああ、たしかにそうや。ええか、神には二種類あんねん。ひとつはタタラ神みたいなその土地で信仰された神様や。これは、そこに住んでた人がそのへんの自然現象に意味を見つけて神様として祀っているうちに誕生したみたいな奴。こういうのは信仰する人がいなくなれば弱体化してもーて、下手したら妖怪みたいになる。この手の神は『祓える』んや」
そこまで話したところで、ちょっとまってて、と土御門がいったん電話を置いた気配がした。また、電話の向こうでなにやら大きく息をつくような音が聞こえる。

「なに?何かしてるの?大丈夫?」
そんな疑問に答えることなく、土御門は何事もなかったように話を続けた。

「ところがな、この世の成立に大きく関わっている神様、例えば太陽を司ってる天照大神とか、作物の実りを司るオオゲツヒメとかは、なんちゅうか、この世界にしっかり根付いているやさかい、祓えへんねん。封印もあかんな。この世のバランス崩してまう。こういうのを理(ことわり)の神とかって言うねん。そして貧乏神もそのうちのひとりっちゅーわけや。貧乏ってなくならへんやろ?」

要は、この世の中の根幹をなすような神だから祓ったり封じたりはできないということか。

「じゃあ、清美さんたちはずっと貧乏なまま?」
それはちょっと許容できない。
「うーん、そうとも限らへんで?ほら、祓えも封印もできんくても、わいらにできることあるやろ?」
え?祓うでも、封印でもなく・・・?
それって・・・
「そうか・・・回向(えこう)・・・」
「そうや。貧乏神も理の神っていうくらいや、なんらか理由があって人に憑いてんねん。その理由を聞き出してうまく誘導できれば解決できるかもしれへんで。古来から、貧乏神がなんらかのきっかけで家から出ていったっちゅー逸話は結構あるやさかいな」
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