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天狐あやかし秘譚
第53章 奇想天外(きそうてんがい)

占部衆とは陰陽寮の陰陽部門のひとつの係であり、主に短期の占いや探索を担当している。ここは私も属している祓衆と同部門であることから、比較的面識がある人が多い。
「こんにちわ」
扉を開くと、一番奥にいて何やら木の板のようなものを眺めながら難しい顔をしている不思議な女子が顔を上げた。彼女こそ、占部衆筆頭、『丞の一位』の位階を頂く土門杏里であった。長い髪は黒にも紫にも見える不思議な色合いをしており、
目には濃い紫のアイシャドーを施し、金糸で刺繍を施された紫色ベースの貫頭衣のような服を身にまとっている。なんともエキセントリックな雰囲気を漂わせている人だ。
好奇心旺盛で精力的、特に不思議現象には目がなく、ややマッドサイエンティスト(いや、彼女の場合、マッドソーサラーとでも言うのだろうか?)の気があるが、気さくな性格の持ち主であった。
「おや!綾音さんではないですか!!」
ぴょんと席から飛び出してきて、私の方に駆け寄ってきてくれる。私は土門さんに昨日あったこと、そして、貧乏神について簡単に説明をした。
「び・・・貧乏神!!み・・・見てみたいのです!」
土門さんに言わせると、やはり神というだけあって、遭遇するのは結構レアなのだそうだ。ブツブツと言いながら手近な紙に何やら書き始める。どうやら貧乏神に出会ったら試してみたい術式のリストなどを考えているようだ。予想以上にかなり食い気味なリアクションだったので私の方が引いてしまいそうだ。
「えっと、今日は、それに関連してお願いがあるんですが・・・」
『お願い』というワードに反応し、ピタッとペンが止まる。
「どういったことでしょう?」
よかった、話は聞いてくれそうだ。私の要望を伝えると、『そんなことでしたらなんの問題もありません』と快諾してくれた。
「こんにちわ」
扉を開くと、一番奥にいて何やら木の板のようなものを眺めながら難しい顔をしている不思議な女子が顔を上げた。彼女こそ、占部衆筆頭、『丞の一位』の位階を頂く土門杏里であった。長い髪は黒にも紫にも見える不思議な色合いをしており、
目には濃い紫のアイシャドーを施し、金糸で刺繍を施された紫色ベースの貫頭衣のような服を身にまとっている。なんともエキセントリックな雰囲気を漂わせている人だ。
好奇心旺盛で精力的、特に不思議現象には目がなく、ややマッドサイエンティスト(いや、彼女の場合、マッドソーサラーとでも言うのだろうか?)の気があるが、気さくな性格の持ち主であった。
「おや!綾音さんではないですか!!」
ぴょんと席から飛び出してきて、私の方に駆け寄ってきてくれる。私は土門さんに昨日あったこと、そして、貧乏神について簡単に説明をした。
「び・・・貧乏神!!み・・・見てみたいのです!」
土門さんに言わせると、やはり神というだけあって、遭遇するのは結構レアなのだそうだ。ブツブツと言いながら手近な紙に何やら書き始める。どうやら貧乏神に出会ったら試してみたい術式のリストなどを考えているようだ。予想以上にかなり食い気味なリアクションだったので私の方が引いてしまいそうだ。
「えっと、今日は、それに関連してお願いがあるんですが・・・」
『お願い』というワードに反応し、ピタッとペンが止まる。
「どういったことでしょう?」
よかった、話は聞いてくれそうだ。私の要望を伝えると、『そんなことでしたらなんの問題もありません』と快諾してくれた。

