この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第55章 不立文字(ふりゅうもんじ)
『ああ・・・ああ・・・福の神たる儂が言うんじゃ。間違いないぞよ。
 それもこれも、お前さんのおかげじゃ。綾音・・・。
 お前さんの優しさが清美の望みを叶えたんじゃよ。ありがとうな。ありがとう。
 おかげで儂は清美から離れることができた』

うん・・・そうか。私、役に立てたんだね。
よかったよ、本当に・・・。

『そして、清美の望みだけではなく、儂の望みまで叶えてくれるとは・・・
 大谷のホームラン、この目にしっかと、焼き付けたぞ。
 本当に、感謝、感謝じゃ・・・ほっーほっほっほ・・・』

すうっとえびす神が光の水脈を引き、天に昇っていく。人の縁を見、それを結ぶ日本古来の神。その姿が夜空に昇り、小さく小さくなっていく。

なかなかに感動的な幕引きだ。

「行っちゃったね・・・キラキラの神様」
「福の神とは縁起の良いものを見た!」

子どもたちは大はしゃぎだ。
まあ、なにはともあれ、色々苦労したけど、清美さんたちはこれから幸せになるというし、私も苦労した甲斐があったというものだ。

危うく東京ドームの衆人環視のもと、痴態をさらすところだったけど・・・。まあそれが貧乏神の望みだったからしょうがな・・・。

ん?
待てよ?

私はふと心に引っかかるものを感じた。
貧乏神は言っていなかっただろうか?

『それもこれも、お前さんのおかげじゃ。綾音・・・。
 お前さんの優しさが清美の望みを叶えたんじゃよ。ありがとうな。ありがとう。
 おかげで儂は清美から離れることができた』
んで・・・
『そして、清美の望みだけではなく、儂の望みまで叶えてくれるとは・・・』
って・・・。
/726ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ