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天狐あやかし秘譚
第55章 不立文字(ふりゅうもんじ)

『ああ・・・ああ・・・福の神たる儂が言うんじゃ。間違いないぞよ。
それもこれも、お前さんのおかげじゃ。綾音・・・。
お前さんの優しさが清美の望みを叶えたんじゃよ。ありがとうな。ありがとう。
おかげで儂は清美から離れることができた』
うん・・・そうか。私、役に立てたんだね。
よかったよ、本当に・・・。
『そして、清美の望みだけではなく、儂の望みまで叶えてくれるとは・・・
大谷のホームラン、この目にしっかと、焼き付けたぞ。
本当に、感謝、感謝じゃ・・・ほっーほっほっほ・・・』
すうっとえびす神が光の水脈を引き、天に昇っていく。人の縁を見、それを結ぶ日本古来の神。その姿が夜空に昇り、小さく小さくなっていく。
なかなかに感動的な幕引きだ。
「行っちゃったね・・・キラキラの神様」
「福の神とは縁起の良いものを見た!」
子どもたちは大はしゃぎだ。
まあ、なにはともあれ、色々苦労したけど、清美さんたちはこれから幸せになるというし、私も苦労した甲斐があったというものだ。
危うく東京ドームの衆人環視のもと、痴態をさらすところだったけど・・・。まあそれが貧乏神の望みだったからしょうがな・・・。
ん?
待てよ?
私はふと心に引っかかるものを感じた。
貧乏神は言っていなかっただろうか?
『それもこれも、お前さんのおかげじゃ。綾音・・・。
お前さんの優しさが清美の望みを叶えたんじゃよ。ありがとうな。ありがとう。
おかげで儂は清美から離れることができた』
んで・・・
『そして、清美の望みだけではなく、儂の望みまで叶えてくれるとは・・・』
って・・・。
それもこれも、お前さんのおかげじゃ。綾音・・・。
お前さんの優しさが清美の望みを叶えたんじゃよ。ありがとうな。ありがとう。
おかげで儂は清美から離れることができた』
うん・・・そうか。私、役に立てたんだね。
よかったよ、本当に・・・。
『そして、清美の望みだけではなく、儂の望みまで叶えてくれるとは・・・
大谷のホームラン、この目にしっかと、焼き付けたぞ。
本当に、感謝、感謝じゃ・・・ほっーほっほっほ・・・』
すうっとえびす神が光の水脈を引き、天に昇っていく。人の縁を見、それを結ぶ日本古来の神。その姿が夜空に昇り、小さく小さくなっていく。
なかなかに感動的な幕引きだ。
「行っちゃったね・・・キラキラの神様」
「福の神とは縁起の良いものを見た!」
子どもたちは大はしゃぎだ。
まあ、なにはともあれ、色々苦労したけど、清美さんたちはこれから幸せになるというし、私も苦労した甲斐があったというものだ。
危うく東京ドームの衆人環視のもと、痴態をさらすところだったけど・・・。まあそれが貧乏神の望みだったからしょうがな・・・。
ん?
待てよ?
私はふと心に引っかかるものを感じた。
貧乏神は言っていなかっただろうか?
『それもこれも、お前さんのおかげじゃ。綾音・・・。
お前さんの優しさが清美の望みを叶えたんじゃよ。ありがとうな。ありがとう。
おかげで儂は清美から離れることができた』
んで・・・
『そして、清美の望みだけではなく、儂の望みまで叶えてくれるとは・・・』
って・・・。

