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天狐あやかし秘譚
第56章 【第13話:天邪鬼】三人成虎(さんにんせいこ)

☆☆☆
京依ちゃんと私は高校に入ってからの仲だった。入学式当日、同じクラスだった私達は、市ヶ谷玲子と木下京依、出席番号が近いために近い席に座っていた。確か、先に話しかけてきたのは京依ちゃんの方だった。
「すっごい、髪の毛キレイだね!」
入学式だということもあり、直近で美容室に行ったせいもあるだろうけど、もともと私の髪の毛はしっかりした髪質でツヤツヤしていて、母親からも『あんたは美人の髪の毛だね』と言われていた。なので、「ありがとう」と彼女に返したと思う。
「私は木下京依、あなたは?」
「市ヶ谷玲子」
「じゃあ、玲ちゃんだね」
よろしく、と手を出してきた。
京依ちゃんの第一印象は、『人懐っこい、可愛らしい子』というイメージだった。話すのが好きなようで、私以外にも色んな子に話しかけていた。私はどちらかと言うと余り友達作りに積極的ではないと言うか、恥ずかしがり屋なところがあるので、その性質はなんだかちょっと羨ましかった。
京依ちゃんは、そんな感じの子なので、友人も多いように見えた。昼休みになると、彼女の周りに大勢の子が集まっていた。どうやら自分が行った国の話とか、会った有名人の話か何かをしているようだった。
「すげー!神田優子って、あの女優の!?」
「そうよ、偶然会ったの、渋谷で。それで、握手してもらえたんだ!」
「え?どんなだった?私服可愛かった?」
「うん・・・えっとね、確か、ブラウンの半袖Vネックに、薄い茶色系のロングスカートだったかなあ・・・。やっぱり芸能人だからかな、大ぶりのサングラスかけて。でも、髪型とかで一発でわかっちゃったのよね」
京依ちゃんと私は高校に入ってからの仲だった。入学式当日、同じクラスだった私達は、市ヶ谷玲子と木下京依、出席番号が近いために近い席に座っていた。確か、先に話しかけてきたのは京依ちゃんの方だった。
「すっごい、髪の毛キレイだね!」
入学式だということもあり、直近で美容室に行ったせいもあるだろうけど、もともと私の髪の毛はしっかりした髪質でツヤツヤしていて、母親からも『あんたは美人の髪の毛だね』と言われていた。なので、「ありがとう」と彼女に返したと思う。
「私は木下京依、あなたは?」
「市ヶ谷玲子」
「じゃあ、玲ちゃんだね」
よろしく、と手を出してきた。
京依ちゃんの第一印象は、『人懐っこい、可愛らしい子』というイメージだった。話すのが好きなようで、私以外にも色んな子に話しかけていた。私はどちらかと言うと余り友達作りに積極的ではないと言うか、恥ずかしがり屋なところがあるので、その性質はなんだかちょっと羨ましかった。
京依ちゃんは、そんな感じの子なので、友人も多いように見えた。昼休みになると、彼女の周りに大勢の子が集まっていた。どうやら自分が行った国の話とか、会った有名人の話か何かをしているようだった。
「すげー!神田優子って、あの女優の!?」
「そうよ、偶然会ったの、渋谷で。それで、握手してもらえたんだ!」
「え?どんなだった?私服可愛かった?」
「うん・・・えっとね、確か、ブラウンの半袖Vネックに、薄い茶色系のロングスカートだったかなあ・・・。やっぱり芸能人だからかな、大ぶりのサングラスかけて。でも、髪型とかで一発でわかっちゃったのよね」

