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天狐あやかし秘譚
第6章 楚夢雨雲(そむううん)
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【楚夢雨雲】男女の情交のたとえ。楚の懐王が昼寝をした際、夢の中で巫山の女神とエッチした逸話による。女神様「朝には雲となって、夕方には雨となってここに参ります」と言ったとか言わなかったとか。う・・・羨ましくなんかないぞ!
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少し時を遡った、とあるアウトレットモールでのお話。

ここはもともと、郊外のニュータウンに人を寄せるために急造された施設だった。20年前に計画が立ち上がり、市や国の補助を得て数ヶ月で完成、しばらくは人を寄せることに成功していたが、ここ数年は他の市街地にあるモールなどに人を取られ、めっきり売上が落ちていた。

そこで、今年に入って大規模リニューアルを図っていた。
その工事での出来事。

「おい、この元々事務所だったスペース、計画では取り壊していいんだよな?」
「ああ、なんか問題あんのか?」
「いやな、このでっけー神棚、どうすっかなーって」
「え?・・・ああ。これ?・・・うーん・・・社長!社長!!これ、どうします?ぶっ壊していいっすか?それとも、神社とかに・・・え?いらない?はい、はい・・・。」
「なんだって?」
「ぶっこわしていいってさ」
「ふーん・・・大丈夫かね?」
「はいはーい・・・神様、すいません。壊しますよ!せーの!」

・・・・・
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