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天狐あやかし秘譚
第58章 【第14話 辻神】死生有命(しせいゆうめい)
まあ、別に私を楽しませるために配置されているわけではないので仕方がないが、どうして我が衆は、こうクソ真面目なヤツばっかなんだろう。・・・まあ、それは問われるまでもなく、占部衆が占術他、情報の収集や分析など、割と陰陽寮の中でも理知的な業務を所掌しているから、だろう。仕事の特性上、必然的にデータをいじるのが趣味、みたいな根暗なやつばかりが『適性がある』ということで配置されてくる。

「つまらないのです・・・」
「はい?」

しまった。
思わず漏れた心の声に律儀に冴守が反応する。

「いや、こっちのことなのです」
「えっと・・・真面目にやってください。土門様」
あーあ、怒られてしまったよ・・・。
早く終わらせて、飲みに行きたい。

仕方がない、じゃあ、改めて・・・
ちょっとはこの衆のボスらしいところを見せなければいけない。

「多発しているのは、道に現れ、災いを振りまく怪異・・・なのです。話に共通するのは、『夜』『交差点』というところ。これから類推するに最も疑わしい怪異は・・・」
「辻神・・・ですか?」
冴守が続けた。
「そうなのです!さっき言ってたOLさんの体験談にあった
 『・・・ひとよ うらまさにせよ』は
 多分、辻占の呪言歌なのです」
「呪言歌?」
廣金が怪訝な顔で言った。
「辻占いをする際に用いられる有名な歌のことですね。確か・・・
 『ふなとさへ 夕占(ゆうけ)の神に物問わば 道行く人よ 占正(うらまさ)にせよ』
 でしたか」
勉強家の設楽がその知見を披露する。
「そうなのです・・・本来は、いろいろなところから往来する人が口にする言葉から、未来を予知するための託宣を受け取る『辻占』のときに使われる呪言なのです。それを使って、辻にわだかまる魔から託宣を受けて『呪い』として人に放っている・・・みたいなことではないかと思うのです」
「つまり、辻に立ち、人に災いを為す辻神が現れていると?」
「そう、私は考えるのです」

古来より、辻、つまり交差点は、違う場所が交わる場所ということで、異界への入口が開きやすい魔所のひとつだった。そこに立ち、人々に災いを振りまくものは多く報告されている。曰く、辻神、マノモンスジ・・・。それに類する怪異だということだ。
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