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天狐あやかし秘譚
第6章 楚夢雨雲(そむううん)
ダリは、清香ちゃんの扱いに完全に困惑しているようで、ガチガチに硬直して、さっきから全く動かない。そこをジャングルジムよろしく、清香ちゃんが登っては降り、登っては降りしてキャッキャと楽しんでいる。
ダリの尻尾がぴるん、ぴるんと痙攣するように動いているのはどうやら『戸惑い』の感情を表しているようだ。

「き・・・清香ちゃん?あんまりどしん、どしんすると、下の人に怒られちゃうから・・・」
おずおず言うと、「はーい」と素直に聞く。聞き分けの良い、いい子だ。そのままダリに肩車して、頭の上にちょこんと顔を乗せる。

なに、これ?かわいい・・・♡

とか、言ってる場合じゃない。

「ダリ・・・これって?どうなってるの?」

だって、清香ちゃんは死んでいて、魂になっていたんじゃないの?行くとすれば『常世』なんでしょ?

「ふーむ・・・。しっかりと実体があるようじゃ・・・。あの御九里とかいう術者のせいかもしれぬな・・・」
清香ちゃんがぶらぶらさせている足をさすりながら、ダリが言うことには、どうやらこういうことらしい。

御九里が死者の魂である清香ちゃんに施そうとした術は『魂送り』。そのために、彼は清香ちゃんの魂を形代(人形のようなもの?)に移したようだ。それを鎖で縛り、あとは常世への通路を開いて、形代ごと流す、ということをしたかったようだ。

「それを綾音が邪魔した・・・ということだ」

まあ、ただ術が途中で終わっただけなら、死霊に戻るだけなのだが、その後に彼女は『狂骨』という霊体の塊みたいなエネルギー体に取り込まれてしまった。

「我が狂骨を祓ったとき、この『清香ちゃん』を分離したのだが、狂骨が持っている力が大分流れ込んだのじゃろう・・・。この状態は、一種の妖怪・・・のようなものだ」

要は清香ちゃんは『形代』という実体を得て、さらに『狂骨』の超妖力を吸収したために、死霊ではなく、妖怪として、しかもかなり実体あるものとして顕現してしまった・・・、ということのようだ。

なんだろう?髪が伸びる人形とか、そういうのの仲間かな?
でも、触った感じほっぺも柔らかいし、何より血色良くて、超可愛い。
こんな妖怪・・・あり?座敷わらし的な?
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