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天狐あやかし秘譚
第59章 合縁奇縁(あいえんきえん)
「ふぐぅ!」

思わずうめき声が上がる。化け物の右手が私の乳首をグリグリと愛撫し始めたからだ。そして、同時に私は恐ろしいことに気づき始めていた。

か・・・感じてる!?

そう、この得体の知れない化け物に犯されつつあるにも関わらず、私の乳首は固く隆起し、下半身の女の茂みは濡れ始めていた。それが分かってしまったのだ。

なんで!?なんでよ・・・!

一旦それを意識してしまうと、性感をより強く感じ始めてしまう。化け物の舌が頬を這い、首筋を嫌らしい音を立てて啜るのにも『あんっ♡』という甘い声が漏れてしまう。

影の唇が私の乳首を含み転がし始める。そしてついにそのゴツゴツとした指が私の女の芯を責め始める。ぐちゅりとみだらな水音を立ててあっという間に二本の指が陰裂に沈みこむ。そこは自分でも恥ずかしくなるくらいぐちゃぐちゃに濡れていた。

「か・・・あ・・・あっ♡・・・」

声がますます女の湿り気を帯びてくる。恐怖による心臓の動悸が、興奮によるそれと区別がつかなくなってくる。頭の中に血液が逆流し、眼の前が真っ赤に染まり始める。

うそうそうそ・・・なんで!?
おかしい・・・おかしいよ!

膣の中を二本の指が無遠慮にかき混ぜてくる。最初、痛みを伴っていたそれも、興奮のせいか、脳内で快感へと書き換えられていく。乳首から送り込まれてくる快感と秘所をぐちゃぐちゃにされる快感が混ざり合い、体中がゾクゾクと震え上がり始める。

いやあ・・・だめ・・・だめ!
イかされる!

きゅうっと乳首を強く吸われ、二本の指がぐいっとおなか側を強く押した瞬間、私の我慢はあっけなく崩壊する。息ができなくなり、眼の前が白くスパークした。

「い・・・いくぅう!!」

ビクンと背筋が弓なりになり、足はだらしなく広がって、ビクリ、ビクリと二回ほど大きく痙攣する。これまで経験したことがない絶頂に私の身体は震えるほど悦んでしまっていた。

ああ・・・あああぁ・・・

言葉は出なかった。うめき声さえも。口はただパクパクとするだけだった。

しかし、私が一度イッてしまっても、化け物は手も口も緩めてはくれなかった。
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