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天狐あやかし秘譚
第61章 怒髪衝天(どはつしょうてん)
宝生前にかけてもらった上着の前を左手でかきあわせ、できるだけおっぱいが丸見えにならないように注意しながら、私は右手をピンと真上に掲げる。

「宮内庁陰陽寮陰陽部門占部衆『丞の一位』土門杏里・・・ワタシ的裁判の結果、あんたは土門杏里逆鱗罪で・・・」

右手の人差し指の一点に超高圧の電力がわだかまる。周囲の空間が歪むほどのテスラ放電がほとばしった。

「ど・・・土門様・・・それって!?」
宝生前が私の攻撃予備動作を見て、目を剥く。数本の石釘を地面に打ち付け、慌てて印を結ぶ。
『い・・石鳴り! 土公 南斗 黄門を閉じよ!!』
宝生前が私達と女たちとの間に土公結界を展開し終えるのと、ニヤリと私がいやらしく笑ったのはおそらく同時だった。

「判決・・・死刑っ!!なのです!!」

木気 召雷白辰大砲!

呪力の解放とともに、天から一筋の超高密度の雷が落ちる。雷は屋敷の屋根をいとも容易く貫通し、化け物の身体は一条の白銀の光に包み込まれる。

「ぎゃああああああ!!!」

血の涙を流したソレは大口を開いて断末魔の叫びを上げた。雷撃自体は刹那ほどの時間、融合体を貫いただけであったが、その威力は絶大だ。

「がはあ・・・っ」

周囲にオゾンの匂いが立ち込める。影は体中からブスブスと煙を上げながら、ぐらりと傾き、倒れた。そして、ソイツが倒れると同時に、女たちを捕らえていた帯も消えていった。

屋根に開いた穴から覗く空に、星が瞬いているのが見える。
どうやら異界からも解放されたようだ。

よく見ると、先程まではそれなりに小綺麗だった屋敷も、ボロボロに朽ち果てた様相を示していた。さっきまでいた屋敷自体も異界の一部だったようだ。

つい、怒りに任せて木気召雷術の中でも対単体最強と言われる『召雷白辰大砲』をぶちかましてしまったが、宝生前がとっさに張ってくれた結界のおかげもあり、女たちにも怪我などはなさそうだった。

宝生前が倒れた融合体に近寄っていく。少し毒気が抜けたのか、その身体は通常の人間サイズに戻り、顔も先程までの影のような姿ではなく、通常の人のそれに戻りつつあった。なんということない、普通の男の顔だった。

「ここは廃村だったのです。・・・すいません。この場所を見つけだすのに、少し時間を喰ってしまいました。」
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