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天狐あやかし秘譚
第61章 怒髪衝天(どはつしょうてん)
『御存知の通り、オシラサマの祭祀については、家中秘伝なんですが、これがたまたま文献を手に入れることができましてねえ・・・。それになんと!実際に祭祀に携わっていた方のお話も聞けたのです!!』
宝生前は一応手はパソコンのキーボードの上にあるのだが、完全にその手は止まっていた。
『ああこれこれ、これちょっと見てください、こちら、かまぼこをこのように加工して作るのですが、これにも意味があるそうで・・・』
宝生前の目がお弁当の方に向いた。目が完全に興味津々といった光を放っている。その横顔を見たときの土門のしたり顔が私としては面白かった。
『もしよろしければ、こちら手に入れた経緯などもお話しながら・・・どうです?お昼を一緒に・・・』
ここまで来たらもう、完全に土門のペースだった。
仕方ないですね、と、口では言っていたが、結局は、1時間近く、土門と宝生前は楽しそうに室の机で向かい合わせに食事をしながら話をすることになる。
完全に土門の作戦勝ちといったところだった。

また、昨日は昨日で、土門が午後に現れる。彼女は大鹿島の席に行き「ちょっと確認したいのですが・・・」と切り出した。以前、土御門に頼まれて祭部衆で作った『黄龍の札』のことについて2〜3確認をしたいとのことだった。その確認内容自体は、どのような術式なのかとか、参考とした文献は何か、といった他愛のないものだったのだが、最後に少し大きめの声で、
『綾音さんは、こちらの札のお陰で貧乏神の回向に成功した、と言ったんですよねぇ』
『どうやらですね、えびす神となって消えていった、とのことなのです。興味深いですねえ』
『えびす神』というところをことさら強調して言っていた。その言葉を聞いて、宝生前のキーを打つ手がピタリと止まる。目はディスプレイに向けられてはいるが、その耳がすでに土門の方に向いているのは誰が見ても明らかだった。

わかりやすすぎる・・・。
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