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天狐あやかし秘譚
第62章 【第15話 黄泉平坂】不知不覚(ふちふかく)
「い・・・ひぅ・・・く・・・こ・・殺さないで・・・」
涙をこぼし、首を振って懇願することしかできない。カダマシは、満足気に、そんな可奈子の頭を子どもをあやすようにグリグリと撫でる。
「ああ、もちろんさ・・・俺はかわいい女にゃ優しんだぜ?」

だから、脱げ

もう一言。もう、可奈子に逆らう気力などなかった。
自らの手で自分の操を守るはずの最後の服を脱ぐ。

「股、開けよ」

座ったまま、M字に股を開く。秘所が丸見えになるが、羞恥心よりも恐怖のほうが勝っていた。カダマシが近づいてきて、右手の人差し指をひと舐めすると、おもむろに可奈子の陰裂に押し付ける。

「いぃっ・・ひぃ!」

ガタガタと全身が震え、涙は頬を伝って顎からポタポタと垂れていた。男の指は何往復か陰裂をなぞると、そのままずぶりと挿入される。指とはいえ、大男のそれである。普通の人間のそれより遥かに太い。そんなものが急に挿入されてきたのだ。もちろん、膣は濡れているわけもないので、ただただ痛み、そして違和感があるだけだった。可奈子はたまらず悲鳴を上げる。

「痛い・・・、いやあ!や・・・やめてぇ!!」
泣き叫ぶ可奈子を押し倒すと、カダマシは膣内に挿入した指をグリグリと動かし続け、左手の指でクリトリスを弄び始める。
「まあまあ、すぐに良くなるからよっ・・っと」

じんじんと腟内に鈍い痛みが走るが、クリトリスを執拗にこすられ、嬲られ続けて、次第に感覚が変わってきてしまう。カダマシは分かっていたのだ、執拗な肉体的刺激が、女を狂わしていくことを。そして、可奈子が狂い始めたことは、膣内に挿入した指が感じる秘肉がこなれ、じっとりとぬめりを帯びてくることからも分かっていた。ニヤニヤと笑いながら、ただただ可奈子を性的に高めるためだけに単調な刺激をし続ける。

脳が錯覚を起こす。恐怖による鼓動が興奮によるそれと入り混じり、嫌悪感による身体的変化が性的快感に無理やり連結されていく。それが証拠に可奈子の叫び声は次第に女の湿り気を帯び、腰はくねくねと妖しく動き始める。

カダマシの思うツボだった。

「はあ・・・あ・・・いやあ・・・っ・・・あ♡」

可奈子の唇から漏れる吐息が熱を帯び、全身の肌がバラ色に紅潮していく。
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