この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第62章 【第15話 黄泉平坂】不知不覚(ふちふかく)
☆☆☆
な・・・何だアイツらは・・・

ことの一部始終を建物の影から見ていた者がいた。男は名を倉持という。今夜、木村とともに菜の花園の当直に当たっている生活支援員であった。

木村が居室棟の異音に気づき、支援員の詰め所を飛び出していった時、倉持も一緒に出たのだが、鍵を持ち出し忘れたのに気づき、戻ったのだ。再び居室棟に向かったときに、ものすごい音がしたのに驚き、そこを曲がれば居室棟が見える、という位置で立ち止まった、というわけだ。

倉持は臆病で良かったかもしれない。もし、勇敢にもそのまま角を曲がっていたらあっという間にカダマシに発見され、命を奪われるほどのダメージを受けたかも知れないからだ。

臆病者の倉持は、そのままその場で頭を抱えてしゃがみ込んでいたのである。そして、犯されている可奈子の悲鳴を、居室棟で子どもたちが蛇に噛まれて泣き叫ぶ様子を、そして、カダマシとクチナワの会話の一部始終を、ただ震えながら聞いていることしかできなかったのである。

ようやく二人がいなくなったのを見計らって、今動き出すことができた。

け・・・警察を・・・
それから、きゅ、救急車!

震える足にムチを打ち、倉持は転がるように詰め所に戻り、受話器を取る。何度も押し間違えそうになりながら、なんとか110番にかけることに成功した。
/827ページ
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ