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天狐あやかし秘譚
第63章 暗中模索(あんちゅうもさく)
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【暗中模索】手がかりのないまま、あれこれとやってみること。
暗闇の中、手を伸ばしてパンパンしながら、道を探してみる・・・みたいな。
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私、浦原綾音は、本日、珍しく陰陽寮に出勤していた。務めているのだから、出勤するのは当然なのだが、いかんせん、位階も持たず、また、土御門のお世話係である瀬良のような役目も特に与えられていない。私の主たる任務は、属している祓衆の上司であるところの土御門の招集に応じて、言われた仕事(多くは超危険な案件にダリを派遣するためのおまけ・・・だが)に携わることである。

それでも月に数回は連絡会議やたまには『教養』という名の陰陽道に関する講義の受講等で、千代田区九段下に位置する陰陽寮本庁に出勤する必要がある。

今日、私が呼ばれているのは陰陽部門の全体会議、しかも、定例ではなく、昨日急に緊急に招集されたものである。そんな大事そうな会議に、私が出ても良いのかなとは未だに思う。なにせ、私、浦原綾音は一応『陰陽師』と呼称されてはいるものの、もちろん陰陽術の類はひとつも使えない。単にダリがいるおかげで、待遇だけ『陰陽師』扱いをしていただいている『なんちゃって』なのである。会議に出ても、ミソッかすもいいところだ。なんの役にも立たないことは、私が一番良く知っている。

ただ、そうとは言え、お給料もらっている以上、こうして会議には出るだけは出ようと真面目に来ている。それだけで、偉いと褒めてもらいたい。

「失礼しまーす」
全体会議はかなり参加者が大人数だと聞いている。普段めったに入らない、陰陽寮の大会議室の扉をそっと開く。

そこにはすでに多くの人がいた。どこに座れば良いのかな・・・と思いながらキョロキョロしていると「あ、綾音さん!」と私を呼ぶ声が聞こえた。

見ると瀬良がこちらに手を振ってくれる。彼女のいる辺りが祓衆に割り当てられた席のようだった。御九里もすでに来て、腕組みして目を閉じていた。私はよく知っている瀬良の隣の席に滑り込んだ。

ちなみに会議室の前には偉い人が座るであろう、いわゆるひな壇が据えられており、椅子が5つ置いてある。それと向かい合うように私達の机と椅子がセットされているスタイルだ。
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