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天狐あやかし秘譚
第63章 暗中模索(あんちゅうもさく)
「ああ・・・綾音さんもいらしていたんですね」
会議室を観察していると、横から聞き覚えのある声がした。声の方を見ると、いつも通りバシッと三つ揃えを着た宝生前が座っている。ということは、あの辺りが祭部の席、ということだろうか。そういう目で見てみると、宝生前の斜め前にはこの間の疱瘡神事件の時、清香ちゃんたちの面倒を見てくれていた九条というハーフっぽい顔立ちの男性陰陽師がおり、そのさらに前には女怪事件のとき、騒動の初期に結界を頑張って被害を食い止めていたという敷島という女陰陽師がいた。彼女も九条とともに清香ちゃんの面倒を見てくれていたので、他の陰陽師よりも面識がある方だ。

後ろを振り返ってみると、この間土門に占いをお願いしたときに事務室でちらりと見かけた男性陰陽師が座っていたので、あの辺りが占部なのだろう。そして、残りの右後ろ側のまばらにしか人がいないところが、八咫烏に割り振られている席なのだろうと推測できる。

「八咫烏さんはあまり来てないんですね?」
瀬良に尋ねると、八咫烏は隠密機動部門なので、あまり人前には姿を見せない、ということだった。今座っているのも、本隊の人間ではなく、連絡要員である事務官だという。

隠密って・・・忍者?スパイ?
なんか・・・すごいなあ

などと感心している間に、会議が始まるアナウンスがなされた。ひな壇には各衆の長、すなわち、左前、大鹿島、土門、それから土御門が腰を下ろしていた。そして、そこに、もう一人見知らぬ男性が座っている。左前が祓衆の、大鹿島が祭部の、土門が占部の長なので、あの男性が八咫烏の長なのだろうと思えた。

私の顔に疑問符が浮かんでいるのが見えたのか、瀬良がコソッと名前を教えてくれた。

「あの方は八咫烏の長、『丞の四位』紀乃道景(きのみちかげ)様です」
小柄で痩せぎすながら、目付きが鋭い男性だった。全身黒尽くめの服を着ており、隙のないピリピリした雰囲気をまとっている。土御門も本気を出したときは相当の気迫だが、それに勝るとも劣らない覇気のようなものを感じる。

土御門がマイクを取り、あーあーと発声を確かめた。先程までややざわついていたフロアが、それを聞いて静かになっていく。
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