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天狐あやかし秘譚
第63章 暗中模索(あんちゅうもさく)
「あー・・・みなはん、今日はお集まりいただいてありがとうございます。
 早速ですが、昨日報告があった事案についての共有からいきたいと思います。
 多分、動き始めた思います。」

例の男、緋紅・・・が。

その言葉にフロアがざわめき、私の背筋もゾワリと粟立った。
疱瘡神と戦っている時、イタツキに見せた、あの人間離れした残忍な笑みが脳裏に蘇る。

「みなはん、すでに知っとる思うけど、一応おさらいな。
 緋紅との最初の邂逅は今年始めに起きた、島根県内の中類村で起こった『疱瘡神事件』のときやった。わいらが疱瘡神となった『名越真白』、足玉を使う『イタツキ』と呼ばれとった『名越颯馬』、そして、虫肩巾をつこてた『シラクモ』っちゅう奴らと交戦中に、鬼道を渡って突如現れたんが緋紅や。その後、奴はイタツキが持ち込んだと思われる品々物之比礼、イタツキの持っていた足玉、それと虫肩巾ごとシラクモを奪い去ったっちゅうわけや。
 更に、その時、八握剣を使って、大鹿島の張った玄武盤石巌界を破壊しとる」

最後のところで、またフロアがざわめく。こころなしか、祭部衆のエリアあたりが一番どよめきが大きかった気がする。それだけ、大鹿島雪影の結界術に対する彼らの信頼が強いことを示唆している。

「この時点で、敵さんは、品々物之比礼、足玉、虫肩巾、八握剣、そして、おそらく鬼道を操る道返玉と、十種の神宝の内、5つまでを有しとることになる・・・。後で話すが、これ以上に持っとる可能性も浮上しとる。特に、移動しながら戦っとったわいたちの居場所を正確に突き止め、そこにピンポイントで転移してきたところを見ると、遠見をする神宝である沖津鏡は向こうさんの手にある公算が強いと踏んどる。」

フロアにどよめきが広がる。多くの陰陽師が『まさか・・・』などと呟いていた。

品々物之比礼や虫肩巾、足玉などと交戦した経験がある身としては、あんなものが他にもあるのかと思うと、かなりゾッとする。ましてや、そのうちの半分以上があの不気味な男、緋紅の手の内だと考えると、とても恐ろしい。
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